決戦!勇者と魔王
「なあ・・・お前・・・あの人狼とハーフエルフ・・・どっちを選ぶんだ?」
「なっ・・・!?」
開口一番、ヴェイストが口にしたのはその一言だった。
「基本的にバカだが、一途な仔犬ちゃんとくそまじめなハーフエルフ・・・」
言うと、ヴェイストは剣を構えた。
「あの悪霊を退治してから、話そうじゃないか!」
「それに関しては、異存はない。」
そのころ、あらかた敵勢を一掃し終えた連合軍の面々は、デラル城の尖塔を振り仰いだ。
「な・・・なんだありゃ・・・!」
レオンがつぶやいた。
「あれこそが、魔王デラル・・・遂にレイストが、ヴェイストから祓ったのでしょう。」
エリティアが尖塔を覆う闇を見て答える。
「じゃあ、ご子息は・・・いや、ご子息方は長い呪いに勝ったということに・・・!」
「ええ。でもまだです。」
既に、ガルナードはグレイスによって倒されていたが、有利になった気がしない。
「では、文字通り・・・」
グレイスが言う。
「そう・・・運命はあの子たちに託されたということ・・・」
レイストたちの技も魔法も、一切が通用しなかった。
なぜなら・・・
『我は、闇・・・闇そのものなのだああああ!』
「打つ手なしか・・・」
闇に勝つ方法とは・・・