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最終章Ⅰ 第四話 決着・神官の矜持と本心
ユムとアルザスの全身は、ボロボロになっていた。無理もない。神霊魔法と暗黒魔法の応酬を繰り返していたのだから。
そんな状況ながら、ユムは自問自答していた。
なぜ、レイストと共に戦うのか・・・
なぜ、ここまで来たのか・・・
なぜ・・・
なぜ・・・
なぜ・・・
それは、この戦いをきっかけに、全ての種族が手を取り合う世界を築くため・・・
それは、トラルティアやラムンセン、ヘクセンティアールのような国を増やすため・・・
だから、負けられない・・・
ユムは、杖を振るった。
上には上がある。
先ほど使った神霊魔法は、中級もいいところだ。
「光よりもなお明るき者、神よりもなお聖なる者、金色の鳥の翼と羽毛を持つ竜よ!我、汝に願う!我と汝の前に立ち塞がる邪悪なる者に裁きを与えん!金色滅裁光!」
なぜ・・・
・・・そして、ユム自身が、それを自覚し認めた時、アルザスは、光の中に消えた。