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最終章Ⅰ 第三話 光と闇
玉座の間・・・
そこで、レイストとヴェイストは、向かい合っていた。
「本当に戦わなければならないのか!」
「くどい!」
言うがはやいか、ヴェイストは印を結ぶ。
だが、レイストが追うように呪文を唱える。
「闇の力よ!暗黒雷撃!」
いぶかしげに思いながらも、術を放つヴェイストだが、ほぼ同時にレイストも術を放った。
「解呪!」
闇の雷は、効果を示さずに終わった。
「バカな・・・!」
「属性こそ正反対だが、僕とお前の魔法力の性質は同じだ・・・」
「確か、お前は魔法開発の天才だと聞いたことがある。まさか、敵の魔法を無力化する術を知っていたとは・・・」
「違うな・・・この術は、『自分』の魔法をリセットする術だ。同じだと言っただろう。」
「どうやら、血族にも効いてしまうらしい。」
レイストとヴェイストの戦いは、膠着状態に陥っていた。
「やはり、剣で勝負か・・・」
レイストが、剣を抜く。