第八章 第二話 道
「覇王十字剣!」
グレイスの号令で、トラルティア騎士団の一撃が、敵軍団の包囲網に穴を開ける。
「さあいけ!レイスト!」
他の場所でも、ドラースが暴れていたり、エリティア率いる魔導師部隊の魔法攻撃が続いている。
「ユム!あなたの力は、絶対に必要よ!行きなさい!」
ユムの母リシェンナだった。
「はい!母さん!」
レイストたちは、霧の中に突入した。
「深いな・・・この霧は・・・」
レイザールが呟いた。
「方向は間違っていないようだが・・・」
レイストは、コンパスを見た。
「ここで、あれを使うんじゃないのか?」
ルザルの言葉にレイストは、霧のオーブを取り出す。
すると、周囲の霧が晴れていく。
城の周囲は、断崖絶壁で、橋のように一本の道があるだけだった。
「いくぞ!」
「「おう!」」
レイストの鬨の声に、皆は応える。
その頃、デラル城の最上階・玉座の間では・・・
「ついに、レイストが乗り込んできた。魔獣将軍ガルナードと魔竜将軍バルキリアスは、連合軍の排除を。
魔神官アルザスは1階の、魔剣将軍ナルセデスは2階を、魔導将軍メルセデスは3階を、魔拳将軍フェンリルは四回を守れ。」
「「ははっ!」」
ヴェイストが、レイストたちを迎え撃つ準備を整えていた。




