第七章 第三話 五竜王
あの寒いギャグは、妹との会話から思いついたものです。
メイルと聞いて、メールと同一視していたようなんです。
「よう。人間にエルフに獣人か。珍しいな。」
ふらりと入った防具屋・・・
「どれがおすすめですか?」
興味丸出しでレイストが、店主に尋ねた。
「俺たち竜族の鱗を貼り付けて造ったドラゴンメイルってのがある。
竜族の手紙を貼り付けて造ったドラゴンメールってのもある。ついでに、風の精霊の加護を付与した『エアメール』ってのも考案中だ。」
一瞬、店内が凍りついた。この親父ギャグ・・・寒い・・・
「ところで、五竜王は・・・?」
「山肌に張り付くように接した城が、竜王様方の城だが。」
レイストたちは、謁見の間に通された。
玉座が五つ並んでおり、中央に五歳ほどの金髪の少年・その左側にレイストと同じ年頃に見える銀髪の少女・右側に赤髪の老人・左端に青髪の青年・右端に白髪の少女がいる。
「先の戦いでは、我ら竜族も被害を受けた。また今度もそうなりかねないのでね・・・協力させてもらうよ。」
中央の少年・金竜王が言った。
「レイストの盾をレイストに渡すのが、筋ってモンだけど、君には『ある人』に逢って試練を受けてもらうのが約束となっている。」
そういうと金竜王は、立ち上がった。
「付いて来て。」
金竜王に連れられて移動した先は、神殿のような部屋・・・
そこには、銀の鎧を纏った男が立っていた。
「我が名を継ぐ者よ。よくぞ来た。」
そこにいたのは、紛れもなく・・・!