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第七章 第二話 クレンジングフィスト
北大陸ベルナード。
そこには、頂上に至る洞窟がある。
さながら、迷宮の様相であった。
上り下りを繰り返し、落とし穴に落ちたりして、ようやく一つの空間にたどり着く。
そこには、祭壇があり、キャットクロウのようで、拳の部分を保護する装甲のついた武器があった。
「これはなんだ?獣人用の武器のようだが・・・」
レイザールがつぶやく。
「多分・・・これがクレンジングフィスト・・・」
セリナが、それを右腕につける。
「ぴったり。まるで測ったみたい・・・」
どこか、身体の一部のような懐かしささえ感じる。
そこから先は、さしたる障害もなく進む。
洞窟を抜けた先にあったものは、高山と思えぬ緑と日差しに囲まれた町だった。
竜族の町ドラゴンシティである。




