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第六章 第四話 お礼!?
「いやあ・・・ありがとうございました!」
オルフィア王子は、ほくほくの笑顔でにこやかにレイストに礼を述べる。
「わたくしからも、お礼を述べさせていただきます♡」
ミルフィ姫は、表情が緩みきっている。
出産が待ちどおしいのか、お腹を撫でている。
祝いの席・・・
両国の王は、しぶしぶこの席を用意した。
「ついては、これを。」
王子が輝く杖を取り出した。
「王家に仕えていたハーフエルフの神官が、勇者レイストと共に最後の戦いに向かう際、忘れていったものです。オリハルコンでレイスト作と伝えられています。」
「まさか王子は・・・」
「はい。レイスト殿。お噂は聞き及んでいます。勇者レイストの伝説を調査していると・・・」
「知っておられた?」
「そこでです。お礼と申してはなんですが、あなたのお式に駆けつけますので・・・」
余計なお世話だ!
と、レイストが喉から飛び出そうな声を飲み込もうとすると、ユムが杖を振るいながら感想を述べている。
「これ・・・神聖魔法を強化できるみたい・・・攻撃も防御も回復も・・・!」
「銘は、虹色の杖。神官ユムは、多くの魔族をこれで浄化したとされます。」




