第六章 第二話 楽師の王子
わーっ!ガキ共がなんちゅうことを!
ルーシャート王国。
ここは、南西大陸にある国。
海峡を挟んで西が、ルシフェラ王国である。
この国は、現在問題を抱えていた。
「だから父上!今はそれどころじゃないんです!」
年の頃十の王子が怒鳴った。
「このような、言わば内紛などあってはならないんです!」
「しかし・・・もう何代も続いているのだ・・・オルフィア。」
「詭弁は、聞き飽きました!行きましょうレイスト殿!」
王子は、左手に竪琴を抱えると、レイストを引きずり、歩き出した。
火山の火口の中、炎のレイピアはあっさり見つかった。
だが・・・
「実は、隣国ルシフェラと我が国は、何代にも渡って争っているんです。その隙をついて僕と隣国の姫ミルフィアは、逢引を続けていました。」
「じゃあ、王子様とお姫様が結婚しちゃえばいいんじゃないの?」
セリナが言う。
「はい。手はずは整っています。実は、海峡の地下に神殿がありまして先にミルフィが来ています。
そこで、婚姻の儀式を行うと、二人の心は離れなくなるといいます。」
「それだけぇ?」
エリナが、意地悪い表情で訪ねる。
「じ・・・実は、ここからが肝心なんです・・・この神殿で行う儀式は・・・子作りの儀式で、必ず子を授かるとされています・・・」