第五章 第三話 海上都市ヘクセンティアール
そうです。レイストは、雑学オタクです。
レイストたちは、トラルティールの頃から栄える海洋国家ヘクセンティアールへの定期便に乗った。
残るレイストの武具と炎のレイピア、吹雪の弓のありかを探すためである。
「わぁっ!海ーっ!」
セリナがはしゃぐ。
エリナとルザルは、魔法具のチェックをしている。
「どんなところなの?ヘクセンティアールって。」
ユムが、レイザールに訪ねた。
「レイストが嫌いな国。」
「ははあん・・・」
そういえば、アベックやエリナ&ルザルによくガンつけてっけ・・・
「でも、あの仔犬ちゃんはそうでもないみたいよ。」
「どっちかというと、子供の面倒を見ているに近い。」
「ははは・・・」
ヘクセンティアール・・・
この国は、獣人族の一種人魚族と共存する海洋国家である。
人魚や、その混血を中心とする大艦隊や海中騎士団さえも要する。
陸では最強と言えるのが、トラルティアやラムンセンだが、海ではヘクセンティアールなのだ。
だだ、レイストには、一つ楽しみがあった。
ぜひとも、水系の魔法の基礎である。
レイストは、母エリティアから教わった基礎、そして独学、勇者レイストの遺跡より得た知識で、『炎』『吹雪』『風』『地』『雷』『光』の六つの系統の魔法を得ている。ただ、これらは、陸に住むエルフに由来しているので、『水』を操る人魚族に興味を持ったというわけだ。
しかし、内心少しげんなりとしている。
なぜなら、この国は、恋人の国とも呼ばれていて、アベックが多いことでも有名だからだ。