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第五章 第一話 世界樹の剣
世界樹は、螺旋階段がつけられ、登り易くなっていた。
そして、レイザールは頂上中央の幹に刺さった剣を見つけた。
「これが、世界樹の剣・・・」
『いかにも。』
「えっ・・・!?」
レイザールは、周囲を見回す。
誰もいない。
「まさか・・・」
『そう。目の前の剣。それが私。』
「僕は・・・・・・」
『二度と、あのような凄惨な戦いに手を貸すまいと思っていたが、再びお主と会って気が変わった。レイストの転生体も両親に恵まれたようだ。運命は変わりつつある。』
「約束しよう世界樹の剣。この戦いの終わりを期に、全ての種族が手を取り合う社会を・・・」
『再び聞いたが、その決意は本物である。さあ、我を抜け我が主にして、その盟友の血を受け継ぐ者よ!』
レイザールは、剣を握り、一気に抜き放つ。
「さて・・・彼は、剣を手にしたようですね・・・
でも、あなたがたは、然るべき武器を手にする必要があります。
レイストの、『レイストの剣』・セリナの浄化の手甲『クレンジングフィスト』・エリナの『炎のレイピア』・ルザルの『吹雪の弓』がそれです。さあ、行くのです。大いなる世界へ。」