第四章 第二話 灯台の悪魔
新たに加わったレイザールと共に、レイストたちは、古代に作られたという灯台に向かった。
観光地として知られる灯台だが、ある時期を境に帰って来る者がいなくなってしまったのだという。
ただごとではないとばかりに、レイストたちは、調査に向かった訳だが・・・
「くそっ!」
レイザールは、燃える剣でオークを切り伏せる。
「魔物だらけじゃないの!」
セリナが、エネルギーの塊のようなものを放ち、スケルトンの群れをふっとばす。
「これじゃ、誰も帰ってこないな・・・」
「うん・・・」
エリナとルザルが、スライムを一掃しつつ、溢す。
最上階に駆け上がると、そこには全身を黒い鎧で固めた騎士がいた。
「きさまか!観光客を皆殺しにしたのは・・・!」
レイストが、剣を向けて牽制する。
「そうだと言ったら?」
「斬る!」
レイストは、神速の動きで斬りかかった。
しかし、黒騎士は、指一本で止めただけだった。
「天よ!裁きを!闇を討て!鉄槌の雷!」
天から降り注ぐ雷をものともしない黒騎士。
「くそっ!」
レイストは、一気に斬り込んだ。
剣が黒騎士を一刀両断したかに見えた。
しかし・・・
ぱきいいいいいいいいいいんっ!
乾いた音を立てて、剣は折れてしまった。
「エルフの剣が・・・」
だが、劇的な変化が起きた。
ぱきっ・・・
からん・・・
兜が割れ、黒髪がこぼれる・・・
長い耳を持つその顔は・・・
「レイスト!?でもレイストはここにいるし・・・」
セリナが驚愕の声を上げる。
「驚くことはない。俺の名は、ヴェイスト。そこにいるレイストの双子の弟だ。」
「「!!!」」
全員が驚く。
「皮肉なものだよなあ・・・身分はさておいても・・・兄のお前は、両親に育てられ、この俺は魔王をやっている・・・」
ヴェイストは、剣を振りかぶった。
「くっ!」
やられる!そう思った瞬間だった。
まばゆい光が、周囲を覆ったのは・・・