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第四章
ついに、勇者の末裔の登場です。
ラムンセン王国・・・
勇者レイストが建てた国である。
トラルティアと並ぶ、世界の双肩となっていると言って過言ではない。
現国王は、レイスト・ラムンセン十八世。
歴代の国王は、閉鎖的なエルフたちとは対照的に、多くの種族を受け入れてきた。
町を行き交う人々も様々。
人狼もいれば、猫の耳と尻尾を持つ人猫もいる。かといえば、獅子の鬣をもつ人獅子や、虎の獣人たる人虎までいる。
目をひくのは、子供のような体躯をもちながら、己の身長ほどのハンマーをかついだホビットだろう。
中には、怪しい果物を並べた露天で叩き売りをしているエルフすらいる。
王宮では・・・
「父上・・・レイザール・・・お呼びにつき、参上しました。」
「うむ。トラルティアのグレイス候から、書簡が届いた。ご子息レイスト殿の歓迎の仕度を。」