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第三章 第四話 レイストの泉
神殿の奥深く・・・
それは、高い水準の技術を使用した設備だと一目で判った。
即座にレイストは、装置を稼動させたが、装置の側にあった碑文に目を止めた。
「これは・・・」
書かれていた内容は、驚くべきものだった。
―ここへ来たのなら、デラルの復活が世界をどう蝕むかを理解したであろう。万一に備え、私は、ここに自らの技術を遺しておいた。戦いの役に立つものもあれば、たたないものもあろう。
次代の勇者よ・・・願わくは、そなたをも含む未来を生きる全ての者に幸福を・・・―
「用意周到だな・・・勇者レイスト・・・」
神殿内は、弱冷気の魔法が発動したらしく、涼しくなってきていた。
「こんなことをしてもあの研究オタクの母上が喜ぶだけだが・・・」
グチを溢しつつ、レイストは、写本を始めた。




