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第二章 第三話 砂漠の水源
「あ~暑い・・・」
「ひ・・・干からびる・・・」
エリナとルザルが唸る。
「み・・・耳が・・・し・・・尻尾が・・・」
一行がいるのは、砂漠・・・
「がんばれ!あと少しで、町に着くから!」
やがて、蜃気楼のように町の姿が浮かび上がってくる。
だが、町もまた、干からびていた・・・
とはいえ・・・
「えっ!僕たちが救世主!?」
「はい・・・!」
迎えてくれた町の長老が応えた。
「かつて・・・魔王デラルが猛威をふるっていた頃・・・
砂漠と化した町を救ってくれた方が、勇者レイストだったのですじゃ・・・」
勇者レイストは、町の近くに地下水脈を発見。
その上に神殿を造り、内部に錬金術とからくりを応用した汲み上げ装置を設置し、その上で世界樹を合成した樹を植え、干ばつから町を救ったという・・・
「だったら、神殿の装置を再稼動させればいいのでは?」
「勇者様は、神殿内部にマニュアルを遺されたのですが、誰も読めんのですじゃ・・・」




