エピローグ
ヘイゼルたちが、広間にかけこんだ。
「!!!」
そこには、気を失い、涙を流しているエミアがいた。
ウォルストの姿は、ない。
しかし・・・
エミアは、この時寝言でこう言った・・・
「なぜ・・・努力のできない人に、無理強いするの・・・?」
ヘイゼルは、エミアを抱きしめた。
レイストの名を継ぐ勇者だって!?
しょせん、一人の女の子じゃないか!
「精神的にボロボロです。」
ヘイゼルは、ティアに報告した。
「確かに、エミアはウォルストを倒しました。しかし、騎士生命はおしまいです。」
エミアは、しばらく引きこもった。
「勇者」にあるまじき行為である。
そして・・・登城・・・
「そうなの・・・?」
王位に就いたティアは、エミアの辞表を受け取った。
「私は、その程度の言葉に耐えることもできない弱い人間です!騎士は・・・もうできません!」
敵のエミアに対する、言葉の数々は、彼女を打ちのめした。
「父上が、あなたを次期騎士団長に推挙していたのだけれど・・・」
このとき、レイスト・エミア・ティアムルは、「騎士」を辞め、錬金術師となった。
彼女は、夫ヘイゼルとの間に生まれた子を、厳しく育てこそしたが、決して無理強いをしない母親となったという・・・