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第十二章
母、ウィルは辺境のウズドガルド国境地帯の凶悪なウルフグリズリーを一人で、退治しに行ったという。
ここには、山岳地帯があり、バスタードソードやルーンライフル、魔法力弓で武装した人熊や人狼、人狼の亜種である人犬から構成されたプロの狩人集団。いわゆる『マタギ』が居をかまえていた。
彼らは、魔物が人里に入ることを防ぐ役割を持ち、いわば人と魔物の領域の門番といえる。
しかし、時としてその理を破る「無法な」魔物も存在する。
マタギが、増えすぎたあるいは凶暴化した魔物に太刀打ちできないこともある。
そんなときは、騎士団に応援要請がかかる場合がある。
母は、要請がかかったすぐさま、現地へ跳び、マタギたちをたった一人で守り、ウルフグリズリーの群れを全滅させた。
しかし、王宮に帰ってきたのは母の遺体だった。
そう。
母は、国を守る狼の女王として最後まで戦ったのだ。
私、ティア・トラルティアは、今、世界を守る狼の女王として、魔王の一人と対峙している。
すみません!だいぶ遅れました!ハイブリッド・ブレイバーズ共々UPします!