第十一章 第四話 復活・・・!
「だけどそれって、ただの負け犬の遠吠えじゃない!」
「そうとも。だが、私は周囲を理解しようとあがくうち、親が子を慈しむ様に・・・恋人同士が愛し合う様に、仔犬が飼い主に甘える様に・・・等しく憎しみを感じるようになった。私は、『愛』が憎いのだよ。だからこそ、同様に感じるファルストを『愛した』のだ。」
ウォルストはエミアを睨みつけた。
「だが、人の世界で、負け犬は負け犬らしく引っ込んでいてはいけないのか!?だが、それ以外の連中はそれを許さず、勝者にしたがる!議論は無駄だ!出でよ!大魔王!」
部屋の闇が収束し、巨大な塊となる。
九つの竜の頭が生え、十二の翼を持つ漆黒の塊である。
「あれが・・・大魔王ダイアレート・・・!?」
「そうとも。」
「邪悪で・・・憎しみしか感じない・・・でも・・・哀しい憎しみ・・・」
「そうか?私はむしろ、神々しく感じるぞ。」
ダイアレートは、ウォルストの身体の中へ入っていく・・・
「フ・・・フハハハハ!まずは、勇者を葬ってくれる!」
ウォルストは手をかざした。
と、同時に黒い雷光がエミアを襲った。
「くっ!絶対魔法防御!」
無詠唱の絶対魔法防御が、雷光を防ぎきった。
だが・・・
「初動と発動が同時だった!無詠唱でもこうはいかない!」
「その通りだ。」
「ならば!」
エミアは、印を結んだ。
「神魔核融合!」
爆撃は、不可視の壁に遮られる。
「なによコレ!?」