第九章 第二話 ウォルスト城突撃!①
「敵側の魔装ゴーレムの鹵獲機を分解してみたら、こんなものが出てきたわ。」
エミリアは、大型の魔法力記憶集積回路を懐から取り出した。
「これって・・・」
「そう。分析してみたら、これが、機体を動かしていたみたい。敵にしたら、少ない兵力をこれで補おうとしていたようだけど・・・」
エミアの呟きに、エミリアは補足する。
「兵器というより、殺人機械じゃないか・・・!」
ヘイゼルが憤る。
「でも奴らにできるってことは・・・」
「その気になればこっちも、同じことができるってことよ。」
ブラストとサイストが、言う。
「まさに、『光と闇』ね。嫌味かしら。」
ディナが皮肉を言う。
「ま、ルカの『聖鳳凰と比べた場合、開発者であるファルストにしてみれば、こっちのほうが『美しい』のかも・・・」
「どうして?」
「あいつ・・・『人間味』ってのが嫌いだから。」
ブラストが言う。
「そう。だから、あの子が美しいと感じるものは、全て無機的もしくは機械的・・・他人どころか、自分の笑顔すら嫌いなのよ。つらい目にあっていたころ、『笑っている』と言われ続けたから。」
サイストが補足した。
「そろそろ、神聖騎士の皆さんの攻撃が決まるころだよ!」
フェアルが、報告に現れた。