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ハーフエルフ・アドベンチャー  作者: SHIN
第二部 勇者の少女
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転章1-魔女の回想

私は、ファルスト。ファルスト・リリーア・ティアムル。魔女と呼ばれている。

セカンドネームのリリーアとは、母がエルフ語の「百合」からとった名だとか。

私は、基本的に座学だけで育てられた。それ自体に不満はなかった。

だが、義務教育を受けるようになり、事情は変わった。

「私」の常識と「外」の常識とが違いすぎた。

私が、失敗をしてしまい、謝罪しようとすると、「謝罪しない」と相手は一方的に攻め立てる。

同様に、「反省」を表情に出しているのに「平気な顔をしている」と罵られる。

次第に私は、いじめを受けるようになり、心を閉ざした。

冗談じゃない。

なぜ、自分を傷つけるだけの「外敵」だけの「外」に出なければならない?

やがて私は、自分に向けられる「表情」が醜いと感じるようになっていった。

だから私は、感情を消した。

恋愛感情という粗大ごみはいらない。

そんなものがあるから、性犯罪や離婚・不倫なんてことも起こる。

体力に自信があった私は、母が決めた王立魔法学校に入学することとなった。

が、私の決めたことではない。

ゆえに母と口論となった。

私が、進路を決められずにいたのならいい。

私は、どこかの工場で定年まで働き、孤独死するのが夢だった。

エリートだと!?この私が!?

冗談ではない。

出世に奔走し、上司と部下の板ばさみになり、苦しめというのか!?


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