第八章 第四話 祝福の神ってあの人!?
そこは、荘厳な神聖な大聖堂。
何故か、騎士服にマントという姿で、エミアとヘイゼルは並んでいた。
主賓席を見ると、なぜか竜族の五人の王までいる。
これはどういうことだ。
祭壇には、壮年の大司教レナスが立っているが、問題なのは、更にその上に特設された玉座にこしかけた赤髪の翼を持ったローブ姿の女性だ。
誰かに似ている。
「これより、トラルティア王国騎士レイスト・エミア・ティアムルとヘイゼル・ヴァルシュタインの神前結婚式を執り行いたいと思います。こちら、聖鳳凰ルカ・マリア様にございます。」
「「ええ~ッ!!」」
エミアとヘイゼルのみならず、ルカを直接知る者たちは、一様に驚いた。
「あの姿は、隠密の姿。いわばお忍びさ。本業はこっち。さ、大司教。はじめちゃって。」
「はい。」
フランクな口調でルカは促す。
「レイスト・エミア・ティアムル。そなたは、神前において、隣の者を夫とし、終生尽くすことを誓いますか?」
「は・・・はい・・・!」
「ヘイゼル・ヴァルシュタイン。そなたは、神前において、隣の者を妻とし、終生尽くすことを誓いますか?」
「はい!」
「ここに、婚姻の儀が成立しました。では、立会人のルカ様より祝福を賜りたいと存じます。」
レナスは、ルカに促した。
「うん。ここにいるみんなが立会人だよ。さあ誓いのキスを!」
言うなり、ルカは、二人を無理やりひっつけてキスをさせた。