第八章 第一話 まさかの援軍
「神魔斬刀《レイスト・ブレード!》」
エミアの斬撃が、結界を叩き斬った。
「やった!」
エミアは、レイストの弓に手を伸ばした。
しかし、どこからともなく飛んできた魔法力の塊に跳ね飛ばされた。
「これは・・・ルーンブラスター・・・誰!?」
エミアは、攻撃の源を探した。
「さすがね・・・三代目レイストの名は伊達じゃないようね。」
そこには、ルーンブラスター-魔法力を物理エネルギーに変えて撃つ銃-を構えた女魔導師がいた。
「ファルスト!ついに貴様まで出てきたか!」
ブラストが叫んだ。
「ファルスト!?ウォルストの側近の!?」
ヘイゼルが、ブラストを見た。
「そうだ!奴は、組織の人間は誰も信用しない!例外があるとすれば・・・」
「そう。ウォルスト様だけ。」
まるで、危ない新興宗教のようである。
「残念ですよブラスト。『神』なんぞの手にかかり、崇高な志を見失うなんて。」
「黙れ!それでも、やっちゃいけないことってあるだろうが!」
「フフ・・・」
ファルストは、印を結んだ。
「裁きの氷河!」
「愛よりもなお優しき者、炎よりもなお熱き者、命を司りし鳳凰!
憎しみよりもなお深き者、情念よりなお強き者、憎悪を司りし黒き鳳凰!
汝らの力以て、世に仇なす者に裁きの炎を!
神魔大核融合!」
ファルストが放った吹雪の魔法を、エミリアの魔法が打ち消した。
「やりますね。光の炎神と闇の炎神の力を融合した『神霊合成魔法』ですか。でも・・・」
「あっ!」
おもむろに、レイストの弓を手に取る。
「これの威力には敵いますまい・・・」
ファルストは、弓に魔法力を込め始める。
とたんに、光の弦と矢が出現した。
「閃光剣の魔法を上乗せしました。これでみなさんを全滅させることもできます。」
だが、次の瞬間・・・
弦と矢は消えていた。
「レイスト一族の魔法を魔法解除できるのは、レイスト一族のみ・・・
そうですか・・・
あなたも、『裏切り』ましたか。槍使いさん・・・」
ファルストは、前を向いたまま、背後に声をかけた。
そこには、レイストの剣を奪っていったサイストがいたのだ。
2014年の書き始めでっす!
まあ、第二部はいわゆる現代社会が抱える『ニート問題』な訳ですわ。




