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第八章
「次は、誰を差し向ける?」
グランデが、ウォルストに尋ねた。
「生半可な者では、魔王でも返り討ちにあうぞ!」
「では・・・」
ウォルストの側に控えていたファルストが立ち上がった。
「レイストの弓をいただいてくればよいのでしょう?返り討ち?ご心配ありません。『ご挨拶』をしてくるだけですから。」
言うと、ファルストの姿が消えた。
「何者だ?あの女は・・・」
「『魔女』だよ。レイスト一族きっての・・・」
グランデの背筋が凍りついた。
「あれが、『人間』か?冗談だろ・・・魔王である俺が恐怖を感じた・・・!」
「『人間』だよ。大丈夫。敵も味方も死なない。最も・・・」
ウォルストは微笑む。
「敵に被害は出るが・・・」




