第二章 第一話 真価
セリナの技「狼牙爆裂拳」のモトネタは、「ペガサス彗星拳」です。
わかった方はいますか?
自由都市エルフィア・・・
トラルティアとウズドガルドの緩衝地帯の中立都市であり、南西大陸ラムンセンとの玄関口となっている町である。
この町を創ったのは、ティアムルの家臣であった黄金騎士エルフィアである。
ただ・・・現在は、盗賊団によって荒らされている。
そこで、レイストたちは、彼らの本拠地である、北の塔へ向かっていた。
「その鎧、かっこいいね!でも勝手に買い換えていいの?」
レイストが着ている鎧は、ミスリルという金属の中級品である『シルバーミスリル』である。
「あくまで、儀礼用の鎧にこだわらなこてもいいんだ。」
実は、騎士階級に適用される鎧は、下から、
鋼鉄、青銅、白銀、黄金と四種。
この四種は、階級が上がるごとに軽くなる。
ちなみにセリナは、胴回りにシルバーミスリルのブレストプレート、両腕に同じ金属の手甲を着用している。
魔導師の塔・・・
盗賊団が根城にしている塔である。
なぜ、こう呼ばれるかは定かではない。
ただ・・・
重い鋼鉄製の扉のせいで、入れない。
鍵が掛かっているようだ。
「どうするかな・・・」
すると、セリナが尻尾をゆっくり左右に振りつつ、扉に近づく。
「どいて。」
言うが早いか、セリナが、息を吸い込む。
「はああああああああああっ!」
そのまま右足で、床を蹴り、右拳を叩き込む!
「狼牙爆裂拳!」
どごおおおおおおおおおおおおおん!
ただの一撃で、扉は砕かれた。
「た・・・たった一発で・・・」
「ん?違うよ。百発。」
「へっ?」
「一秒間に百発叩き込んだの。」
あまりにも凄まじい威力である。
もっとすごいのは、ここまでのことをやって、けろりとしているセリナ本人だろうか・・・