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「 心 の 底 の 不 安 」

 シータは俺を好きなんだ。

 それは解かっている。


 けれど、シータはファストも愛している。

 それも、解かっている。


 シータのファストへの想いが本当は兄妹の関係で・・・・・・それを恋だと勘違いしているだけならいい。

 何度も、何度も、何度も何度もそう思った。

 けれど、旅を続ける中、それは俺一人の願望なのだと思い知った。


 二人はそんな俺の目の前で、確かに愛を育んでいた。

 そんな旅の中、俺はシータの心に俺への愛が芽生えて来た事を感じた。

 けれど、それがシータの心に負担となった。


 シータの負担になっていると感じながらも、俺を愛して欲しかった。

 ファストへの想いを、過去の物にして欲しかった。

 そしてシータは苦しみ苦しみ、そして俺への愛を選んでくれた。

 そして今日、シータは心と体全てで俺を受け入れてくれた。


 俺はこの日を後悔する日が来るのだろうか。

 シータの心を全て知っている俺が、今日シータを抱いた事を。


 自分の心を止める事が出来なかった。

 二人の関係が俺の独りよがりの物だったと、いつか思い知る日が来るのだろうか。


 そんな日が来ないと信じたい。


 シータの愛を信じている。

 ・・・・・・けれど、心の底に沈ませ隠した筈の不安な心が俺を揺さぶり続ける。




 目の前で眠るシータの安心しきった寝顔が、俺を安心と、不安な気持ちで揺さぶり続ける。







 カイトの用意してくれたドレスを着て、カイトに連れられ、私は接見の間に連れられてきた。

 見た事も無いほど深い絨毯の先には、カイトのお父さん、お母さんであるこの王国の王と王妃が朗らかに微笑みながら私たちを迎えてくれた。

「初めまして。

 クル王国第一皇女、シータと申します。

 まずは、ご挨拶が遅れた事をお詫びさせて下さい。」

 二人の前までカイトに連れられ、私は深々と頭を下げて挨拶をした。


「頭を上げて。

 私達も挨拶したいわ。」

 気さくな王妃の言葉に、私は驚いて顔を上げる。

 その視線の先には、さっきよりも更に朗らかに微笑んだ王妃と、王の姿があった。

「こちらも初めまして。

 私達が、カイトの父と母。

 そしてこのオーマ王国の王と王妃です。」

 優しい声の王。

 二人が私を受け入れてくれている。

 そう感じられた。


 私はそれが嬉しくってカイトに視線を送る。

 カイトも私の気持ちが解かったのか、優しく微笑みをくれた。

「大変な旅の様ね。

 けれど、頑張って。

 ・・・・・・そして、一日でも早くこの国に帰ってきてね。」

 王妃の言葉が、私達に改めて目標を輝かせてくれた。

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