「 新 し い 関 係 」
「おはよう。」
いつまでも部屋の中にいる事は出来ない。
私は勇気を出して部屋の外に出た。
そして、出て直ぐの所で私はカイトと会った。
そして、カイトはいつもと変わらない様子で私に挨拶をかけた。
「顔色、いいね。」
私の顔を覗き込んでそう言って、カイトは私の頭を優しくクシャッと撫でて、優しく微笑んだ。
その様子が、何だかファスト兄様が合流する前までのカイトの様に感じた。
そう言えば、兄様と合流する前までのカイトはもっと感情豊かだった。
兄様と合流してからのカイトは兄様と役割分担をきっぱりと決めたかの様に、私の様子を余り気にしなくなっていた。
「出発出来そうか?
セイム王国まで3日間。頑張れそうか?」
次の目的地はセイム王国。
私は力強く頷いて見せた。
そんな私の頭をカイトは再びくしゃくしゃと撫でた。
「じゃぁ、朝食。
もう出来てるから、顔を洗っておいで。」
昨日の告白には一切触れず。
かといって昨日迄とは少し違う。
私はカイトが望む物が少し理解出来た気がした。
私は今まで通りでいいんだよね。
それが私の心を軽くしていた。
「おはよう。」
食卓には既に食事が並べられていた。
私はキッチンに立つ兄様の背中に挨拶をした。
さっきカイトと交わした挨拶が私に少しの勇気をくれ、兄様に声を掛ける事が出来た。
兄様はカイトから話を聞いているのかな。
けれど、もう悩んでても前に進めない。
そんな決心をした私に、兄様はゆっくりと振り返る。
「おはよう。」
そして優しい微笑を浮かべ、挨拶を返す。
いつもどおり。
私は再びホッとした。
「椅子に座っておいで。
あとこのスープで終わり。」
そう言っておなべをゆっくりとかき混ぜる。
始めて見るその姿。
「兄様、料理出来たの?」
驚いてそう聞いた私に、兄様は声を上げて笑って見せた。
「勿論・・・・・・と言いたい所だけど、これはカイトが作ったものだよ。
俺は焦げ付かない様にこれでかき混ぜてるだけ。」
そう言ってお玉を軽く持ち上げてみせる兄様の姿が可笑しくって、私も思わず笑ってしまった。
楽しい会話。
‥‥‥けど、その笑いに少しだけ無理を感じている自分もいた。
なんだか、1話が短くなっていっている気がします‥‥‥。




