「 寄 り 道 」
日を増すごとに魔物の出現数が増えてきた。
町を出て、何日目だろう。
城を出て、何日目だろう。
ふとそう思った時、私はお腹の痛みを感じた。
そしてその痛みは少しずつ大きくなっていった。
もしかして・・・・・・
私は二人に休憩を申し出て少し二人から少し離れる。
トイレだと思っているだろう二人は何も言わずに待っていてくれる。
あーぁ。
そして私は思わずガクッと肩をうなだれる。
生理だ。
私は重いほうでは無いとククルは言っていた。
けれど、どうしても1日目はお腹がシクシク痛み、2日目は軽く貧血気味になる。
まだ2度目の旅の途中での生理。
前回も辛かった。けれど、何とかやり過ごせた。
けど、宿にも泊まれない、こんな苦しい旅の状態で、私はこの2日間を耐えられるのだろうか・・・・・・
そんな心配を感じて直ぐに、いつもなら1日目では感じない貧血を感じて来た。
「顔色が悪いぞ、大丈夫か?」
珍しくそんな声を掛けてきたカイトに、私はなんと返事をしていいのか解からずに、結局“大丈夫”と答えた。
「少し寄り道になるけど、休める場所がある。」
そうカイトが切り出したのは、私に大丈夫かと声を掛けたほんの1時間程後だった。
私が辛そうだから?
私が送る視線の先で、カイトは無表情に首を振る。
「俺達も一度ゆっくり休みたい。
それに、運が良ければ食料も調達出来る。」
私と視線を合わせずにそう言ったカイト。
けれどその言葉の内容に、私はカイトの優しさを感じた。
私のスピードに会わせてくれている二人に、疲労感は見られない。
けれど、既に1日目なのに貧血を感じている私。
頭がくらくらしていて、いつ意識が無くなるのか解からず、正直不安だった。
私はカイトの申し出を素直に受け取った。
その場所に着いたのは既に夜になっていた。
結局頭がふらふらしてきた私を心配して、兄様が自分の馬に一緒に乗せてくれた。
そしてカイトは私の馬を連れ来てくれた。
途中私は眠ってしまったのか、気をを失ってしまっていたのか解からなかったけれど、意識の無いままカイトの言う目的地に着いていた。
森の中の小さい滝の脇に建つ小さい家。
家の脇には家畜用と思われる家よりも大きな小屋。
そして家の割りには大きな畑が広がっていた。
けれど、その家からは人気を感じなかった。
「ここは?」
問いかける兄様に、カイトは小さくため息を付いて見せた。
「旅の途中で知り合ったセイム王国の学者だった者の家だ。
セイム王国はここから3日も進んだ所にある国だ。」
「今は何処に?」
「現王の政治に嫌気が差して城を出たと言っていたけれど、俺が彼と出会った頃既に国は傾き始めていた。
きっと状況が逼迫して来て助けを求められ、それに応じ城に行ったんだろう。
いくら嫌気が差したからと言って、見捨てておける様な人では無かったからね。
見知った感じの話し方に、カイトとの関係の深さを感じた。
カイトは旅をして、こうやっていろんな人といろんな関係を作っていったんだ。
ファスト兄様と話をしているカイトの背中が、とても大きく感じた。




