『猫のお茶会』
「それではみなさん、頑張りましょうね! 」
にこにことした笑顔がステキな部長の挨拶とともにアタシたちは準備に取り掛かる。
今日は文化祭当日。
アタシたちは喫茶店の開店準備をする。
「咲、あんたはこれ配ってきて」
チアキに渡されたのは喫茶店のチラシ。
「……やっぱり配りに行かないと……ダメ? 」
「ダメに決まってるでしょ? ほらほら!行った行った! 」
チアキは面倒くさそうにしっしっと手を振る。
アタシは仕方なくチラシの束をかわいいピンクの造花がついている籐のかごに入れて校門へと向かう。
階段を下りていく途中に全身を映す鏡があって、アタシはいやおうなしに今の自分の姿を目にする。
――やっぱり、恥ずかしいよぉ~。
喫茶店だからってこの格好はちょっとないと思うんだけどなぁ。
喫茶店=メイド これはなんとなく分かるんだけど……。
+猫耳、首輪に鈴って……。
先輩たちは最後の文化祭だからすごい力が入ってるのは分かるんだけど、喫茶店を成功させたいってのもすごく良く分かるんだけど、
だけど、だけどっ!
「やっぱ恥ずかしいよぉ~」
ちらほらと入り始めた一般のお客さんの視線が痛い。
ほら。
今の人もアタシの事二度見してるしぃ~っ!
早くこのチラシを配って終わらせよう……。
校門へ着くとあたしは飛び切りの笑顔(といってもきっと引きつってるけど)でチラシを配った。
「2階2-Aで喫茶店『猫のお茶会』やってま~す。是非来てくださいね」といいながら……。




