クッキーと文化祭
「よし!完成! 」
アタシはうーんと背伸びをした。
「はい。次の型抜きよろしくね!」
間髪居れずにチアキがアタシの目の前に新しいクッキーの生地を置く。
……もぉ。
ちょっとくらい休憩したいよぉ――。
明後日からうちの学校の『文化祭』が始まる。
私の所属する部活では『喫茶店』をやることになっていて、今はその喫茶店で出すお菓子作りの真っ最中だ。
ふと周りを見ると、チアキは次のクッキーの生地を作っているし、この文化祭で引退する三年生の先輩たちもマドレーヌやパウンドケーキ、シュークリームなど色んなお菓子を作っている。
……よし! アタシも、頑張んなきゃ!
アタシはクッキーの型を抜きながら、アツムのことを考える。
この前文化祭のチケットを渡したけど……来てくれるかな……?
防犯上の理由かららしいけど、うちの文化祭はチケット制になっている。
そこまでしなくてもいいんじゃないかと思うんだけどね。
チケットを持っていれば入場するのは楽チンだけど、女子高だし、ちょっと恥ずかしいとかあるかなぁ?
一応『お友達と一緒に来てね』って二枚渡したんだけど……それもイマイチだったかなぁ?
思わずため息をつくと、近くにいたチアキが
「あと少し! 頑張ろうね! 咲! 」と励ましてくれた。
う~ん。
クッキーの型抜きでため息をついたわけじゃないんだけどな。
アタシは「うん」とチアキに返事をすると、型抜きの作業に集中することにした。




