バニラシェイク
「んっと……さっきの人は川原さんって言って、センセーの幼馴染なんだって」
アタシはとりあえず入ったファーストフード店でバニラシェイクを飲みながら簡単な説明をした。
二人(特に綾実)はまだぽやんとした顔をしていてまだ夢見心地って感じみたい。
う~ん。二人をここまでふにゃふにゃにしちゃうとは!!
やっぱり川原さんってかっこいいんだよなぁ。
アタシはそう思いつつまたシェイクを一口飲む。
甘くて、口に入った瞬間に融けてしまうシェイクはアタシのお気に入りなのだ。
アイスも好きだけど、シェイクがあと少しで単なる液体になっちゃうのがなんともいえないんだよね。
……人からはちょっと変わってるとか言われちゃうけど。
なんて言うんだっけ……そうそう。いわゆる一つの『侘び寂び』ってやつだね。
そんなことを思っていると、綾実が急に「先生って? 」と言って来た。
「先生? 」
アタシは良く分からなくて、綾実の質問を疑問系でそのまま返す。
「だから――川原さんが先生の幼馴染って言ってたでしょ?
どの先生の幼馴染なのか聞いてるの」
綾実はちょっとむすっとして説明した。
――けどさ、アタシが先生の幼馴染って説明してからかる~く五分は経過してるんですけど!
「担任の佐藤センセーの。だよ」
「まじで?! 」
「なんで咲がそんなこと知ってるの??!」
アタシの話が終わらないうちに二人は同時に驚きの声を上げた。
ってか、声重なりすぎてよく聞こえなかったぞ!
しかも声が大きすぎ!
ほら。周りのお客さんたちがこっち見てるし!
「も~。そんなに声大きくしないでよ。
みんなこっち見てはずかしいってば! 」
「ご、ごめん」
「あんまりびっくりしたから……」
「アタシも……びっくりさせすぎてごめんね? 」
アタシたちはそう言うとなんだかおかしくなってくくくっと笑い出した。
――もちろん小さい声で、だけどね。




