とある昼休みに
「咲ってかなりの天然?
でもいいなぁ~。私も先生にお姫様抱っこされたかったよぉ」
綾実がぱくりとレタスチーズサンド食べながら言う。
「でも、覚えてないし。
それにおかーさんに変に誤解されてたいへんだったんだからさー」
そう言いながらぱくっと私が食べたのはミニハンバーグ。
某ネズミのキャラのかたちだ。
最近おかーさんは『キャラ弁』なるものにはまっているらしい。
かわいいんだけど、食べ辛いのが欠点かな?
アレから二日後。アタシはすっかり元気になった。
今は丁度お昼休みなのだ。
「ってか、私に感謝しなさいよ~?
みんなの誤解解くの大変だったんだからさぁ」
チアキはから揚げを箸で刺しながらウインクをした。
「チアキ。あんた行儀悪いわね。
それは刺し箸って言って……――」
綾実は意外と礼儀作法に厳しい。
アタシは綾実とチアキの掛け合いに思わず微笑む。
最近は三人でお弁当を食べるのが日課になっている。
「あ、そうだ」
チアキはそう言うとカバンから一枚の紙を取り出し、アタシの目の前に出した。
「? なに? 」
「文化祭のアンケート。
今日締め切りだからよろしく」
「文化祭……来月なんだ」
全然忘れてたよ。しかもチアキが文化祭実行委員だったのね。
プリントの右上にチアキの名前が代表として載っている。
「ちなみに部活は『喫茶店』の予定だから」
「へぇ~喫茶店……。
じゃあやっぱクラスの出し物はこれかな? 」
アタシはシャープペンを取ると『おばけやしき』と書いてチアキに渡す。
「なんつーか、オーソドックス?
私は展示会って書いたよ。
一番楽でしょ。ああいうのって」
チアキはそう言うと、アンケートをたたんでカバンの中にしまった。




