おかゆと妹
「咲姉、やっぱ風邪なの? うつさないでよね」
家に入るなり妹の美季から言われた言葉がコレだ。
も~! ほんと可愛くないんだからっ!
「ほらほら。お姉ちゃんは本当に具合悪いんだからそんなこと言わないの! 」
「……はーい」
美季はおかーさんに適当な返事をして、二階に上がっていく。
「全く。素直じゃないんだから……。
先生から連絡があったとき、電話に出たのが美季だったんだけどね、すっごく心配してたのよ」
おかーさんはそういいながらアタシをとりあえずリビングのソファーに座らせてくれた。
美季が心配?? ほんとかなぁ?? 昔の美季なら心配してくれたろうけど。
今はなんていうか、生意気で自分勝手だし……。
「何か食べられそう? おかゆとか……ヨーグルトあたりなら大丈夫かしら? 」
そう言うとおかーさんは「一口でも良いから食べてね」とおかゆとヨーグルトをテーブルに並べた。
一口。
頑張ってみよう。
おかゆをスプーンですくって、ぱくりと食べてみる。
「食べれそう……ありがとね、おかーさん」
塩味が丁度良くて、アタシはゆっくりながらもおかゆを完食した。
「おいしかったよ。ごちそうさま」
アタシはそう言うと、おかーさんが用意してくれたパジャマに着替える。
「おかゆ、美季がつくったのよ」
「えっ! おかーさんが作ってくれたんじゃないの?! 」
おかーさんの言葉にびっくりして、アタシは先ほどまでおかゆが入っていた小さな土鍋を見た。
「お母さんは咲を迎えに行くことになったから時間なくてね、
そしたら美季が『私が作っててあげる。咲姉おなか減ってるかもしれないし』だって」
おかーさんはふふっと笑ってから「あの子、いつも意地張ってるけど、お姉ちゃんのこと大好きなのよ」と言った。
「そ、そうなの……かなぁ?? 」
なんか良く分かんない。
反抗期ってやつなのかな?? だから素直じゃないの?
ぼんやりそんなことを考えてみたけど、やっぱり良く分からなかった。
アタシは処方された薬を飲んでベッドに入る。
横になるとさっきまではなんともなかったのに急に眠気が襲ってきて、
アタシはアツムにメールを出来ないまま眠ってしまった。




