あいつは俺が殺す
許さない。
絶対に許さない。
必ず、殺してやる。
あいつは、俺の友達を殺した。
事故?
ふざけるな。
「身に覚えがありません」
その一言で、
全部終わらせやがった。
だが、いい。
どうせ死刑だ。
人を殺したんだ。
死は、死で償う。
……なのに。
無罪。
ふざけるな。
だったら、
俺が裁く。
俺が殺す。
それだけだ。
その日から、
俺はあいつの後をつけていた。
逃がさない。
絶対に。
「……久しぶり」
声がした。
振り向く。
あいつの彼女だ。
視線が、向こうに向く。
あいつを、見た。
一瞬、
顔が歪む。
でも、すぐに戻る。
「何してるの?」
「……何でもない」
「待って」
「君、復讐しようとしてたでしょ」
何も言わない。
「やめて」
抱きつかれる。
「あの人は……」
「あなたの復讐なんて望んでない」
「だから、やめてよ」
少しだけ、
息が詰まる。
「……分かった」
「やめるよ」
あいつを見る。
「悪いな」
小さく呟く。
彼女を見る。
「俺には、できないみたいだ」
少しだけ、間。
「でも、大丈夫だ」
目を逸らす。
彼女の手。
ナイフ。
見えないように、握られている。
「……ああ」
「絶対だ」
歩き出す。
背中越しに、声を落とす。
「信じてやれよ」
「お前」
復讐は終わるものではなく、どこかで形を変えて続いていくものだと思っています。
やり遂げることが目的になったとき、それは本当に正しいのか。
読んだ人がどう感じるかで、この物語の意味は変わると思います。




