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記憶と真実  作者: 白瀬 佑月
第1章 真実って?
11/11

第11話

 次の走者、その次の走者たちが追い上げ、4位まで行けた。次でラスト。私のアンカーで順位が確定する。私の手にバトンが渡された。私は無我夢中で走り、一人抜かした。その時、 「頑張れ!朱里!」という悠衣の声が聞こえ、またスピードを上げてゴールをした。結果は3位。あと少しで抜かせそうだったが、逃げられてしまった。クラスの人達に歓迎され、優勝できるようにと午後の借り人競争に気合を入れた。


 お昼を食べ終わり、借り人競争の時間になった。この競技は5人で誰が一番お題と同じ人を連れてこれるかという競争である。

 私は3レース目だった。もう出番はすぐそこまで迫っており、ワクワクと緊張が身体の中で混ざり合っていた。ついに私の出番になった。


 よーい、ドン!!


 一斉にお題の紙へと走り出す。これにしよう!紙をめくるとそこには、’’ずっと一緒にいる人・物’’と書かれていた。


 ずっといっしょにいる人・物……。何人でもいいのかな。悠衣達が座っているところへ走っていく。


 「3人とも来て!」


 3人とも、なんで?という顔をしている。クスッ、みんな揃って同じ顔だ。そう思いながらお題を見せる。そうしたらみんな納得した顔で立ち上がり、ゴールを目指そうと走り始めた。


 「ね、せっかくだし、手繋いで行こうよ」


 莉人は嫌そうな顔をしていたが、渋々という感じに手を繋いだ。


 「3人とも、今まで一緒にいてくれてありがとう!楽しかったよ。これからもよろしくね」


 そう伝え、みんなでゴールをした。ゴールと同時に拍手が沸き起こった。ゴール後、悠衣からハグをされ、それが仲直りだという合図のように何事もなかったかのように話すようになった。


 無事に私達のクラスは優勝し、念願の食券2週間分をゲット果たした。


 体育祭が終わった後、人気がないところで悠衣に事故の真実を話した。押した事実は変わらないからとたくさん謝られたが、「助けようとしてくれてありがとう」とお礼を述べ、これからも仲良くするという条件で落ち着いた。


 そして、1日が終わり、眠りについた。私はこの夜とてもいい夢を見た。どこか懐かしい夢__。入園式の夢。私が入場と同時に転び、恥ずかしさと痛みから泣いていると小さい手が3つ私の前に差し出された。その手の主達は「だいじょうぶだよ」と言って手を握ってくれた。1人の女の子はずっと手を握ってくれて、小柄な男の子は「痛いの痛いの飛んでけー」っとおまじないを掛けてくれて、もう1人の男の子は私が観客席から隠せるように大きく手を開いて立っていた。入学式後、私は転んだことなんて忘れられるぐらいその子達と遊んでいた__。


                                     第1章 Fin__

ここまで読んで下さりありがとうございました!第2章は来年になると思います。

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― 新着の感想 ―
とても素敵なお話でした。 途中の、記憶の消失の違和感などがこの先の展開がどうなるか凄く 気になって、最後にはみんな昔みたいに素直に仲良くなれる展開も大好きでした。 この先の作品も楽しみにしてます!
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