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宇津路くん、アソびましょ  作者: 『黒狗』の優樹
罰ゲーム五個目
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罰ゲーム五個目①

 「いや、マジにビックリしたんだからね」


 「そんなに驚く事ですの?」


 「そりゃ驚くでしょうよ。

 友達が遊びに来た翌日に、自分が住んでるマンションの同じ階に引っ越してきたら」


 「・・・・・・動かなかったら、チャンスを掴めないと思ったんですわ」


 「まぁ、そこは同意できるけど、行動力があり過ぎなのよ、マリア、あんた。

 いや、ありすぎなのは財力?

 一体、どうやったら、あの短時間で引っ越ししてこれるのよ」


 「金多家のチカラをナメてはいけませんわ」


 「一度もナメた事はないって。

 って言うか、ギンちゃんの足の指をベロベロ舐めたマリアには言われたくないよ」


 「!? 今、それを思い出させるのは卑怯だと思いますわッッ」


 「いや、事実じゃん」


 「・・・・・・事実だからこそ、思い返すと恥ずかしいんですのに」


 「冗談はともかくとして」


 「冗談には聞こえませんでしたわっっ」


 「ご近所さんになったからって、アタシとマリアが友達で、ライバルなのは変わらないよ。

 これから、よろしくね」


 「よろしくお願いしますわ」


 「ふふ、今更、友情を確認すると、何か照れ臭いね」


 「ですわね」


 「蒸し返す感じになっちゃうけど、マリアのパパさんとママさん、よく許してくれたね、ここに引っ越してくるの」


 「ママは引っ越したい理由を話したら快諾してくれましたわ」


 「あぁ、ママさんは、マリアとギンちゃんをくっつけたい訳ね」


 「ちょっと、キララさん、目に私のママへの殺意を漲らせないでくださいな」


 「やばっっ、目に出ちゃってた?」


 「思いっきり、メラメラしてましたわよ」


 「ごめん、ごめん。

 ママさんがすんなりOKしたって事は、パパさんはゴネた感じ?」


 「ゴネた、と言うと、若干、イメージが悪い気もしますが、まぁ、似たような感じでしたわ。

 ママが説得してくださったら、翌朝、首を縦に振ってくれましたの。

 けど、何故か、ママはツヤツヤしてるのに、パパの方は妙にやつれてましたわ」


 「よほど力の入った説得だったんだろうねぇ」


 「キララさん、遠い目をしてどうしましたの?」


 「ううん、何でもないよ。

 でも、パパさんもOKを出してくれて良かったじゃん。

 やっぱり、メイドさんが下の階の部屋に住んで、家の事をしてくれるからかな?」


 「私としては、ちゃんとした一人暮らしをしたかったんですが」


 「いやー、マリアに一人暮らしをさせるのは、ちょっと、親としては不安になるんでしょ」


 「どういう意味ですの!?」


 「マリア、家事が出来なさそうじゃん」


 「うっ・・・確かに、生まれた時から、メイド達が洗濯、掃除、炊事をしてくれていましたから」


 「ちょ、本気ガチヘコミしないでよ、マリア」


 「だからこそ、この機に一人暮らししたかったんですわ。

 けど、メイドと一緒に住まなかったら、引っ越しは許可できない、とパパに言われてしまいましたの」


 「それでも、どうにか、メイドさんは違う部屋に住んでくれるよう、説得した訳ね」


 「メイドがいたら、宇津路さんをお招きできませんもの」


 「やっぱり、そのつもりで引っ越してきた訳ね」


 「当然ですわ。

 私は私の全力を尽くして、宇津路さんのハートを射止めてみせますわ」


 「宣戦布告?」


 「それ以外の何に聞こえまして?」


 「負けフラグを立てちゃった気もするけどね」


 「そうやって、慢心なさっている間に、私はリードしてみせます」


 「言うじゃん」


 「キララさんを、ライバルとして認めているからですわ」


 「マリアのクセにカッコいい事を言うじゃん」


 「マリアのくせに、は余計ですわ」


 「そこまで言われたら、アタシも負けてはいられないな。

 マリアのママさんには悪いけど、ギンちゃんのカノジョになるのはアタシだよ」


 「私も負ける気はありませんわ・・・・・・ただ」


 「ただ?」


 「宇津路さんにゲームで負けて、罰ゲームで辱められている私達が、彼女になる、と息巻いていても、何だか虚しいですわ」


 「マリア、あんた、それを言っちゃダメだって。

 今、傷口にタバスコをぶっかけられたと思ったんだけど」


 「想像しただけで痛くなりますわ」


 「確かに、まずは、ギンちゃんに罰ゲームを受けさせてからだねぇ、彼女になるのは」


 「頑張りましょうね」


 「けど、マリアの場合は、恥ずかしい罰ゲームの方が気持ちよくなれるんだよね」

 

 「それは・・・否定できませんわ」


 「友達としては否定して欲しいトコだなぁ、そこは」


 「私は自分の性癖と向き合い、受け入れますわ」


 「マリアのくせに、器がデカい事を言って、ムカつくなぁ」


 「私は人としての器だけじゃなく、おっぱいも大きいですもの」


 「大きいからって、ギンちゃんのハートを掴めるとは限らないよ」


 「それ、キララさんにも言えちゃいますわよ」


 「あ、ホントだ」


 「いえ、しかし、切実な話、宇津路さんが巨乳好きでなかったら、私たち、かなり不利ですわよ、キララさん」


 「うぬぅ」


 「その、キララさん、宇津路さんは、そういう本などを隠し持っていませんの?

 男子の所有物を見れば、女性の好みが判明する、と教わりましたわ」

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