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宇津路くん、アソびましょ  作者: 『黒狗』の優樹
罰ゲーム四個目
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罰ゲーム四個目(35)

 (恥ずかしがっている場合じゃありませんわね)


 私は恥ずかしさを堪え、改めて、宇津路さんの左足をジッと見つめます。


 (親指と小指、どちらから舐めましょう・・・)


 宇津路さんに、「どちらから舐めますか?」と質問したら、きっと、「金多さんの好きな方から舐めて良いよ」とお答えになるでしょう。

 チラリと視線を上げれば、宇津路さんは相変わらず、温和ですけど、妙に黒さを感じさせる笑みを浮かべています。

 多分、いえ、確実に、私が、親指と小指、どちらから先に舐めるべきか、悩んでいるのを楽しんでいるに違いありません。

 私に自主性を重んじる答えを返すのも、私が、その答えで、ますます悩むのが解っているからでしょう。

 ここで、宇津路さんの思い通りになるのも癪ですので、私は一回、目を閉じて、直感に身を委ねる事にします。


 「・・・・・・小指から舐めますわ」


 「お好きにどうぞ」


 私が自分に確認せず、己の意志で即決した事に対して、宇津路さんは、さほど驚いた風ではなく、むしろ、私の精神的な成長を喜んでいるような声です。


 (もしかして、またしても、私は、宇津路さんの手の中で転がされていたのでは・・・)


 自分で決定したつもりでいましたが、それすらも、宇津路さんの予想通りだったのかもしれません。

 ますます、底の見えない御方、と戦慄しながら、私は宇津路さんの左足の小指へ口を近づけていきます。

 顔と足の間隔を詰めた事で、ちょっとだけ足の匂いに鼻をくすぐられますが、やはり、不快になるようなキツさはありません。

 左足の小指から、と自分で決めたものの、私はまたしても、悩んでしまいます。

 私の目前に現れた選択肢は、二つ。

 小指の先からちょっとずつ舐めていくか、もしくは、小指をパクッと口の中に入れるか。

 これもまた、宇津路さんには質問できず、自分で決めるべき事ですから、一旦、小指に口を近づけるのを止め、私は目を閉じます。

 現実的な時間の経過は、一秒にも満ちていないでしょうが、私の精神世界で、私達が行った激しい論戦は一時間を悠に超えていたでしょう。

 忌憚のない意見をぶつけたおかげで、実りのある話し合いになり、私達は最終的に、頬を腫らした顔で笑い、抱き締め合いました。


 「参ります」


 私は、先端に、チュッと、小鳥が餌を啄むような、軽めのキスをしてから、宇津路さんの左足の小指を躊躇いなく、口の中に入れます。

 この時、私は見えていなかったですが、後で、キララさんが撮っていた動画を視聴していただいた際、私に小指を咥えられた刹那に、宇津路さんはわずかに表情を強張らせていました。

 当然と言えば、当然でしょう。

 他人に足の指を咥えられる、そんな事、日常では起こりません。

 しかも、この時の私は、好きな人の足を舐める行為で興奮していましたから、口の中は普段よりも熱くなっており、分泌される唾液の量も増していました。

 乳首の先端を指で隠した半裸状態、それもまた、私をドキドキさせていました。

 熱を帯びた、大量の唾液でグチョグチョになっている女の口腔内へ、指が根元まで入ったのですから、その際の感覚は形容しがたいものだったに違いありません。

 宇津路さんにとって、初めての感覚を、彼に与えているとは露も気付いていませんでした、この時の私は。

 ですが、言い訳くらいはさせてください。

 

 (お、美味しいですわぁ)


 宇津路さんの左足の小指、その旨味が、口の中に広がっていた私は、それに意識が傾注してしまっていて、彼のリアクションを感じ取る事にまで気を回せなかったのです。

 わざわざ、言うまでもありませんが、私だって、人様の足の指を咥えるなど、生まれて初めてです。

 針仕事をしていたり、部活中に書類に触っていたりしている時、手の指を傷付けてしまい、咄嗟に咥える事はありますが、その時は味を感じる事はしません。

 宇津路さんの足の小指は、サイズこそ小さいながらも、彼が小指の先端まで意識して、日頃から歩行している、と感じられる強靭さに満ちているようでした。

 その逞しさが、口の中に広がる、ほのかな塩味をより深いモノとしており、私は、この旨味を堪能すべく、舌を彼の小指に無自覚で這わせてしまいます。

 好きな人の足の指を舐める、その背徳的な行為と想像を絶する美味に興奮しながらも、私は頭の中に冷静さを残していました。

 もっとも、相当にギリギリでしたけど。

 小指の食感を、もっと味わいたい、と名残惜しさを抱きながらも、時間配分の事も忘れていなかった私は小指を口から出します。

 私の唾液で汚れ切った、宇津路さんの小指は淫靡な照りを発しており、私はより強い興奮を感じると同時に、彼の小指をベトベトにしてしまった罪悪感に巨乳をチクチクと刺されてしまいます。

 後で、しっかりと謝り、拭かせていただきましょう、と心に決めながら、私は薬指を口の中に入れました。

 彼の薬指、中指、人差し指と順に舐めていき、親指まで来た時、私の下着は、もう、ビチョビチョでした。

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