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宇津路くん、アソびましょ  作者: 『黒狗』の優樹
罰ゲーム四個目
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罰ゲーム四個目(32)

 こうやって、自分自身のHカップを両手、正確に言えば、人差し指だけで乳首を隠している状態では、宇津路さんの雄のシンボルが、どれほど固くなっているか、触覚で確認する事が、私には出来ません。

 直に、ではないにしろ、宇津路さんの股間に、割と、しっかりめにおタッチされたキララさんは、悔しさや妬みの念でモヤモヤしている私を挑発する暇すら無いようで、未だに、ご自身の頬に手をしっかりと当てています。

 イイでしょ、と煽ってきたのなら、いっそ、私も羞恥心を振り切って、乳首を隠すのを止め、宇津路さんの股間を触らせていただくのに。

 私が、何とも形容しがたいじれったさを覚えていると、キララさんは頬で、自分の手に伝わった、宇津路さんの股間の温かみを感じ取るだけでは我慢できなくなったようです。


 「んなっ!?」


 何と、キララさん、自分の掌を嗅ぎ始めたではありませんか!!

 あれだけ、しっかりと触っていらしたので、温かみだけでなく、匂いも掌に移っているのも知れません。

 いつもの私であれば、直接に触っていないのですから、匂いまでは掌に染み込みませんわ、とツッコミを鋭くしていたでしょう。

 けれど、この時の私は、宇津路さんにゲームで負けた悔しさ、誇り高き金多家の者として罰ゲームには従わなきゃいけない、そんな責任感から生じる焦り、好きな御方の目の前で爆乳の九割を曝け出している恥ずかしさから発生した独特な快感、そして、宇津路さんの股間におタッチなさったキララさんに対する羨ましさで、ツッコミを入れるために必要な冷静さを欠いていました。

 ですから、私にも嗅がせてくださいませ、と本気で訴えるべく、一歩前に出てしまいます。

 そのタイミングでした、宇津路さんが「金多さん」と声をかけてきたのは。


 「は、はいっ」


 予期せぬタイミングで、宇津路さんに呼ばれた事で、私は自分でも驚くくらい、声が引っ繰り返ってしまいます。

 私の情けないリアクションに対しても、宇津路さんは、わずかに眉をピクリと動かしただけで、優しく微笑み返してくださりました。


 「金多さんの、その恰好は魅力的だから、いつまでも視ていたいけど」


 「み、魅力的ですか?」


 「Hカップのお嬢様が、乳首だけ指で隠して、おっぱいを見せてる姿に魅力を感じる男は多いと思うよ」


 宇津路さんの言葉に嘘が混じっていない、と確信した私は、超爆乳であるお母さまたちに、心の底から感謝します。


 「とは言え」


 「!!」


 「いつまでも、その恰好でいたら、金多さんが体を冷やして、風邪をひいちゃうかも知れないから、そろそろ、次の罰ゲームを決めても良いかな?」


 本音を言っても良いのなら、もっと、宇津路さんに、今の私の恥ずかしい姿を見られたい。

 けど、私の体調を慮ってくれる宇津路さんの優しさ、これもまた、私を嬉しくさせてくださいます。

 悩んだ私は選択しました。


 「えぇ、構いません。

 さぁ、三つ目の罰ゲームを決めましょう」


 こうなったら、指を退かして、宇津路さんに生Hカップを見て貰いましょう、と私へ切実に訴えかけてくる私を、ヘッドロックで、どうにか抑えつけた私は、誇り高き金多家の者として、堂々と胸を張りますわ。

 そう大見得を切ったのは良いものの、私はハッと気付きます。


 「宇津路さん、このままでは、私、三枚目のカードを山から引く事が出来ませんわ」


 思いがけないタイミングで、宇津路さんにおっぱいを見せるチャンスが到来ですわ、私、ともう一人の私がアピールしてきます。

 それに、思わず、ノッてしまいそうな私の心の、何と脆弱な事か・・・

 

 「ど、どうしましょう」


 私が戸惑いながらも、おっぱいの硬く尖った先端を隠している指をさりげなく外そうとしているのを、恋する乙女の勘で感知なさったのかもしれません、キララさんは。


 「なら、私が三枚目を、マリアの代わりに引くけどいいよね、ギンちゃん!!」


 「チッ」


 「ちょっ、マリア、あんた、今、舌打ちしなかった?!」


 「・・・・・・してませんわ、そんなはしたない真似」


 「いや、それはした人間の反応じゃない!?」


 「チッ」


 「思いっきり、舌打ちしたッッ」


 「私が舌打ちしたから、何ですの、キララさん。

 ほら、宇津路さんがお待ちなんですから、さっさと、三枚目のカードを、私の代わりに引いてくださいな」


 「ちょっと、ギンちゃん、マリアが、おっぱいだけじゃなくて、ダークな一面も丸出しにしてるんだけど!!」


 キララさんは、私たちのやりとりを聞いて、顔を背け、肩を小刻みに揺らしながら、懸命に笑いを嚙み殺していた宇津路さんに訴えます。


 「ギンちゃん、笑い過ぎでしょ」


 「宇津路さん、妙なトコが笑いのツボですのねぇ」


 「ごめんね、二人とも。

 金多さんが良いって言うなら、キララちゃんがカードを引いてあげて」


 「了解」と頷いたキララさんは、最後の山の一番上のカードを引き、中身を確認なさいます。


 「・・・・・・引き直しは無しだよね」


 「ちょっと、キララさん、何を引きましたの!?」

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