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宇津路くん、アソびましょ  作者: 『黒狗』の優樹
罰ゲーム四個目
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罰ゲーム四個目(27)

 「え、何ですの、指ブラって?」


 聞き慣れない、を通り越して、これまでの人生で一度たりとも聞いた事がない単語に、私は自然と首を傾けてしまいます。


 「キララさん、知っていますか?」


 この罰ゲームのカードを見て、驚きの反応リアクションをなさったキララさん。

 と言う事は、キララさんは、この「指ブラ」がどういうモノなのか、ご存知なのでしょう、きっと。

 聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥、と申します。

 そもそも、私の親友であるキララさんは、今更、私の無知さなど嘲笑わらわないでしょうから、私は臆さずに質問します。

 すると、キララさんは困ったように眉を顰め、唇をへの字にひん曲げます。


 「いや、私も知らないけど、ある程度の察しは付くんだよね」


 「想像が付くだけでもありがたいですわ。

 教えてくださいな」


 私が顔の前で両手を合わせ、真剣に頼むと、キララさんは、どうしたものか、と唸った後、助けを求めるように、宇津路さんへ視線を向けました。

 いきなり、助け舟を出して、とキララさんに求められた宇津路さんも顰めっ面となります。

 もしや、それほどまでにハレンチな罰ゲームなのでしょうか?

 ドキドキしてきてしまった私は、乙女の裂け目から秘雫が溢れ、下着が湿るのを感じてしまいます。

 下着をほんの少しだけ汚してしまったのを隠すように、私は諦めず、キララさんに「教えてくださいな」と頼みます。

 まだ、宇津路さんに視線を向けていたキララさんでしたが、宇津路さんに「頑張って」と言わんばかりに微笑み返され、なおかつ、私が退かないのを感じ取ったのでしょうね、どこか投げ遣り気味に肩を竦めました。

 Gカップがバルンッと揺れるような竦め方をしたのは、多分、ワザとですね。

 まぁ、私はHカップですから気にしませんけども。

 きっと、いえ、間違いなく、ルビィさんだったら、煽られた、と認識し、キララさんのGパイを捥ぎ取ろうとしたでしょう。純朴で、胸の大きさを気にしていないヒスイさんは、キララさんのマウントに気付かない可能性もありますね。


 「マリアも、さすがに、手ブラくらいは聞いた事があるでしょ?」


 「手ぶら? 手に何も持っていない、と言う意味ですか?」


 「ありゃ、マジ? そこから教えなきゃダメな感じ?」


 キララさんが呆れる、と言うより、困惑の色を顔に滲ませたので、私は、もしかして、世間では常識として認知されている用語なのか、と焦ってしまいます。

 宇津路さんもご存知なのか、と不安になりながら、そっと、目だけで問うてみれば、彼はほんのわずかに唇の両端を上げます。

 どうやら、宇津路さんも「手ブラ」をご存じの様子。

 誇り高き金多家の娘として、己の無知を恥ずかしく思いながらも、ここは屈辱に耐える時、と判断し、私は改めて、キララさんに説明を請います。


 「一体、手ブラとは何ですの? キララさん」


 少し考え込んでいたキララさんは、私に言葉で長々と説明するより、自分でやってみせた方が手っ取り早いか、と判断なさったらしく、おもむろに、ご自身のGカップを両掌で覆います。


 「手ブラってのは、これだよ、マリア」


 「これですの?」


 私はキララさんを真似て、自身のHカップを両手で覆います。


 「まぁ、正確に言うと、服の上からじゃなくて、ブラを取って、真っ裸になった状態で、おっぱいを手で隠す事だけどね」


 「・・・・・・なるほど、これが手ブラですのね。

 そこはかとなく煽情的ですわ」


 手ブラをしながら、私が真面目に感心していると、キララさんが「はぁ」と溜息を溢しました。

 いくら、私でも、今の溜息に「蔑み」が籠っていると気付けますわよ。

 私にキッと睨まれても、キララさんはどこ吹く風で、またしても、「はぁ」と溜息を溢します。


 「まだ気付かないのね」


 「な、何がですの?」


 狼狽える私に、キララさんはこれまでよりも大きな溜息を溢します。


 「手ブラが、両手でおっぱいを隠す、ここまでは理解してる?」


 「もちろんですわ」


 着衣状態で手ブラをしている巨乳美少女が二人、きっと、傍から見れば奇妙なのでしょうが、この時の私はそれに気付いていませんでした。


 「理解してるなら、指ブラもイメージできるんじゃない?」


 キララさんの言葉で、私は自身の想像力を働かせてみます。

 私の想像力は、キララさんの「はぁ」にイラついた事もあって、普段よりも滑らかに高速回転していたようです。

 ものの数秒で、私も「?!」となりました。


 「ま、まさか、指ブラとは・・・」


 「多分、指でおっぱいを隠すことだろうねぇ」


 「無理に決まっているでしょうッッ

 ヒスイさんはともかくとして、ルビィさんなら小さな両手もで慎ましい乳房を隠せるでしょうが、私達は手でも完全に隠せませんのよ!?」


 「それ、ルビィに聞かれたら、頭に齧りつかれるんじゃない?」


 思わず、ルビィさんに頭に噛みつかれる様を想像してしまった私はブルッと体を震わせてしまいますが、怯懦を脇に押し退け、話を続けます。


 「私達のサイズで、指で隠せるのは胸の先くらいですわよ」

 

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