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宇津路くん、アソびましょ  作者: 『黒狗』の優樹
罰ゲーム一個目
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罰ゲーム1個目⑤

 アタシは、男女間に友情は成立する、と思ってる。正確に言うと、思いたい、かな。

 何故、成立するのか、どうやったら成立するのか、と矢継ぎ早に聞かれてしまったら、相手を納得させられる答えを上手く説明できる自信が、アタシにはないんだけど、生まれた国や年代が違ったって、友達と呼び合える仲に、人間はなれるんだから、性別が違うくらいで、友情が成り立たなくなるのはおかしいんじゃないかな。

 まぁ、友達になれる一方で、憎む理由もないのに戦争で殺し合うのも、人間なんだけどさ。

 男女間の友情の成否はさておき、友情と恋愛、どちらが人生にとって優良なのか、そこに関しても、アタシは決められない。

 大体、いるのかな、どっちが上って証明できる人が、この世に?

 友情と恋愛、どっちも大事にすればいいだけの話だと思う訳、アタシとしては。

 と、エラそうな事を散々、言ってるんだけど、アタシは、もう、ギンちゃんとの友達だけじゃなくて、恋人って関係にもなりたいんです、ぶっちゃけ!!

 生まれついての明るい性格のアタシは、高校デビューした元陰キャのファッションギャルって訳じゃない。

 でも、アタシはこれまで、男の子と「お付き合い」をした事がないの、一度も。

 これまた、自慢に聞こえちゃうかもしれないけど、アタシは美少女だから、今まで、何十人もの男の子が「付き合って下さい」と頭を下げてきた。

 高校生になった今でも、週に一回は告白されてる。

 でも、アタシは、その告白を真正面から受け止めた上で、丁寧に断ってきた。

 ほとんどは、本気で、アタシの事を好きだったけど、記念的な勢いで告白してきた男の子だったから、アタシに断られても、どこか、スッキリとした表情で、逆に、アタシにお礼を言ってくれた。

 そういう男の子とは、次の日からも、普通に挨拶したり、ちょっとした雑談を出来る仲でいられた。

 まぁ、時々、本気すぎて、アタシの「No」にプッツンしてしまった男子もいたけど、そんな時は、すぐに、ギンちゃんが間に入って、その男子を止めて、アタシを守ってくれた。

 中には、「俺と付き合える、光栄な権利を、鶏野、お前にくれてやろう」って、キザったらしく、ふざけた寝言をヌカしたスカポンタンもいたけど、そういう奴は、ギンちゃんに頼らず、容赦なく、アタシ自身で、金玉を蹴り上げて、お帰り願った。

 一部の例外はいたにしろ、美少女なアタシに、真っ向から「好きだ」と告白してくるだけあって、その男の子たちは、他の女子なら、即座にOKするくらい、ハイスペックだった。例を挙げると、サッカー部やバスケ部のキャプテン、生徒会の役員、大きい会社の社長さんの息子とか。

 でも、アタシは、全員に、「ごめんなさい、付き合えません」とハッキリ言ってきた。

 どうして、そんな男の子たちと付き合わなかったのか、その質問に答えるのは、メッチャ簡単だ。

 ギンちゃんが、アタシは大大大大大好きだからだ。

 そもそも、ギンちゃんみたいにカッコいい幼馴染がいるのに、ギンちゃんより劣る男の子に心が傾きようがない、正直言って。

 アタシに勇気を振り絞って告白をしてくれた男子たちを悪く言う気は、これっぽちもないんだけど、箱いっぱいにジャガイモが入ってて、その良し悪しは判っても、全部がジャガイモって事には変わりなくて、そのジャガイモと、A5ランクの和牛を並べたら、全く違う存在じゃん。

 そのジャガイモの良さを知ってて、そっちを選ぶ人がいるように、アタシは自分の手が届かない可能性があったとしても、A5ランクの和牛を食べるべく頑張れちゃうギャルなのだ!!

 変な例えをしちゃったせいで、自分でも、何を言いたいのか、分からなくなりそうになったけど、とにかく、アタシはギンちゃんと、男と女の関係になりたい。

 それなら、ギャルらしく、自分から、ガンガン攻めればいい、と思ったよね。

 ホント、あたしも、そう思う。

 だけどさぁ、そう簡単にはいかないのよ、実際。

 マヂ、アタシに告白してきてくれた男の子たち、勇気あるっっ。

 その勇気を、アタシにちょっとずつで良いから分けてって思うわ~。

 エロ漫画に出てくるギャルみたいに、好きな相手を襲う度胸も、ヘタレなアタシにはありません。

 ここまで、自分の事を「ギャル」と言ってきたけど、好きな相手を押し倒して、最後までやれちゃうのを「本物」とするなら、アタシは「偽物」かなぁ。

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