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宇津路くん、アソびましょ  作者: 『黒狗』の優樹
罰ゲーム一個目
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罰ゲーム一個目⑬

 当然と言えば当然だけど、ギンちゃんは、アタシがスカートをめくって、下着を見せるのを、「ちょっ、キララちゃん、ゴメン、冗談だよ」と大慌てで止めたりはしなかった。

 

 (ギンちゃんにも、女の子のパンツを見たいって気持ちがあったのかな・・・ってのは、さすがに、都合の良い考え過ぎるよね)


 付き合いが長いアタシには、ギンちゃんが、アタシの自分でスカートをめくる手を止めなかったのは、男子高校生らしいスケベ心からじゃなくて、想定外が過ぎるアクシデントであったとは言え、罰ゲームには逆らわない、そんな敗者としての矜持を汲んでくれたからだろう。

 ここで、恥ずかしさに耐えながら、自分に下着を見せようとするアタシを止めれば、逆に、アタシのプライドをズタズタにしてしまう、とギンちゃんは理解っている。

 だから、二人して、こんな予想もしていなかった、ロマンもへったくれも有りやしない状況であっても、アタシの下着を見る事が出来る嬉しさや恥ずかしさに耐えながら、どっしりとソファに腰を深く下ろして、ジッと見てくれているのだ。


 (うーん、でも、ギンちゃんが、アタシの下着を見て喜んでたり、恥ずかしがってるのか、ちっとも分からないなぁ)


 スカートの裾を持っている手はちっとも震えないけど、体の内側、奥と言うか、そう、芯の部分からジワジワと迫ってくる熱い何かで、アタシの姿態カラダは小刻みに揺れてしまっていた。


 (ギンちゃんに視られている、それだけで、こんなにも気持ちよくなっちゃってる、アタシ、今)


 ギャルっぽいな、アタシ、と客観的な事を思いつつ、妙に気恥ずかしいので、アタシは、今この時、アタシの下着を凝視しているであろうギンちゃんを、逆に見つめてみる。

 普段から、ギンちゃんを、アタシは、ジッと見ているけど、パンツを凝視する顔、なんて、そう滅多にお目にかかれない。いわば、超稀少スーパーレア!!

 そんなギンちゃんの表情、ガン見しなきゃ、もったいないっしょッッ。


 (でも、やっぱり、ギンちゃん、目ぇ細いなぁ)


 顔の向きや目線、アタシだからこそ感じ取れる雰囲気からして、ギンちゃんが、今、アタシの勝負下着をしっかりと見ているのは間違いない。

 ただ、ギンちゃんの目が細すぎて、性欲が滾っているのか、アタシのギャルアイを以てしても、そこが、ちっとも、解らないのが悔しい。

 

 (何せ、ギンちゃんに、性欲があるのか、そこが怪しいもんねぇ)


 一応、ギンちゃんの部屋にも、綺麗な大人の女性が、ビキニやミニチャイナ、改造セーラー服、ナース服とかのセクシーな衣装を着て、セクシーなポーズを決めていたり、逆に、ニップレスや前張り、もしくは、何も着ていない状態、つまり、セミヌードやヌードがたくさん載っている本がある。

 その女の人のおっぱいが、アタシと同じくらいか、大きかったら、それはそれで安心できるんだけど、サイズは大小様々だった。

 さすがに、ロリ系はなくて、アタシもホッとした。ロリ系があったら、巨乳系ギャルのアタシには、どうにもならないところだったもん。

 まぁ、そこはどうでもいい話で、ギンちゃんが、その本をそっちの意味で使っている形跡が、パラパラと見た感じ、無い。

 動画派なのかな、と思って、棚やパソコンも探ってみたけど、それらしいモノも見つからなかった。

 ギンちゃんの性欲が、仮に0だったら、アタシの、本気のSEXをしてから、告白して貰って、恋人らしくイチャイチャするって作戦が根底から崩壊しちゃうんだけど・・・・・・


 「キララちゃん」


 アクシデントではあったけど、棚ぼたと言い換えてもいい、この罰ゲーム、アタシの下着を見せることで、ギンちゃんに、アタシを女の子、ううん、女として意識して貰おう、と決意していたから、アタシはギンちゃんが、アタシの名を呼んでいたのに気付くのが遅れてしまっていた。


 「な、何、ギンちゃん」


 「下着、黒なんだね」


 「う、うん」


 「・・・・・・」


 ギンちゃんが、一瞬前よりも真剣な顔つきになったから、アタシは不安に駆られる。

 ギンちゃんを悩殺する、その意志を示す意味合いで、黒にしていたんだけど、ギンちゃんの眼には、下品に視えたのかもしれない。


 「似合ってない?」


 思わず、アタシが目を潤ませてしまったのに気付いたのか、ギンちゃんは申し訳なさそうに微笑んで、首を横に振る。


 「似合ってるよ、凄く。色っぽくて、興奮する」


 「!?」


 聞きたかった言葉を、ギンちゃんが言ってくれて、アタシの心は幸せでいっぱいになる、ううん、溢れてしまう。

 その溢れた幸せが、今、ギンちゃんが褒めてくれた黒い下着をジュワァと濡らし、沁みを広げたのが自分で分かって、アタシは顔を赤くし、スカートを摘まみ上げていた手を離しそうになってしまう。

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