罰ゲーム五個目⑰
「おー、さすが、ギンちゃん」
「素晴らしいアイディアですわ」
「いやいや、二人して褒め称えるような事でもない気がするけどね。
まぁ、キララちゃんと金多さんみたいな可愛い子に褒められたら、悪い気はしないな」
「そんな、宇津路さん、私が可愛い、だなんて・・・照れてしまいますわ」
「アタシが可愛いのは周知の事実だけど、ギンちゃんに言われると、嬉しいね」
「けど、各々、提案するゲームが一つずつだと、ちょっと公平性を欠いちゃう気もするから、それぞれで二つずつ出して、種類が違うゲームを2つやる事にする?」
「うん、そうしよう」
「私は構いませんわ」
「じゃあ、ちょっと、待ってね。
今、紙を6枚に切っちゃうから」
「何にしようかな・・・」
「私でも勝てそうなゲームは、何かしら」
「はい、どうぞ」
「ありがと」
「ありがとうございます」
「なら、お互いに見えないよう、3分以内に書いて、この空き箱に入れて」
「OK」
「了解ですわ」
「ん、タイマーが鳴ったね」
「じゃ、空き箱に入れて、と」
「誰がクジを引きますの?」
「まぁ、ジャンケンで良いんじゃない?」
「俺は構わないよ」
「私も異論はありませんわ」
「よしっ、最初はグー、ジャンケンポン!!」
「勝ったのは俺と金多さんだね」
「うぐぅ」
「どうする? もう一回、ジャンケンする?」
「・・・・・・致しましょう」
「なら、最初はグー、ジャンケンポンッ」
「おー、マリアがギンちゃんに勝った」
「まさか、ここで宇津路さんに勝ってしまうなんて、運を使い切ってしまった気がしますわ」
「いや、さすがに、そんな事は無ぃ・・・・・・あるかな?」
「不安ですわ」
「まぁまぁ、とりあえず、一回目のゲームを決めようよ。
はい、金多さん、引いて」
「畏まりましたわ・・・これにしますわ。
キララさんが見てくださいませ」
「何で!?」
「お願いしますわ」
「しょうがないなぁ・・・えっと、一回目は・・・・・・やじろべー?
何、それ。ギンちゃん、知ってる?」
「ヤジロベー自体は知ってるけど。
誰が書いた・・・金多さんの字かな、これ」
「マリアが書いたの!?」
「私が書きましたわ」
「どんなゲームなの、これ?」
「単純ですわ、両腕を横に大きく開いた状態で、片足立ちをして、最後まで立っていられた者が勝ち、それだけですの」
「うん、シンプルな勝負だね」
「ちょっと!? マリア、何で、そんなゲームを書いたのッッ」
「だって、全く思いつかなかったんですもの」
「やっぱり、さっきのジャンケンで勝っちゃったから、運を使っちゃったのかな」
「二人でヒソヒソ話をしてるトコ悪いけど、引き直しは認めないからね」
「や、やっぱり?」
「それは重々承知してますわ・・・」
「やるしかないね」
「相手が翡翠さんなら、勝ち目は完全に0ですけど、宇津路さんなら、小数点くらいの勝率はあるかもしれませんわ」
「だね。微レ存に賭けるしかない」
「話も付いたみたいだし、早速、始めようか」
「では、まず、お互いに妨害できないよう、手が当たらない、ある程度の距離を取りましょう」
「ちょっッ、マリア」
「キララちゃん、いざとなったら、俺を道連れにしようとしてた?」
「・・・・・・」
「キララさん」
「マリア~~~」
「ちょっと、そんな怨めしい目で見ないでください、キララさん。
さすがに、それは人としての道に外れますわよ」
「勝てれば、過程や手段なんて、どうでもいいの!!」
「ワルギャルっぽい言い草だ」
「万が一に備えて、キララさんと宇津路さんの間に、私が入りますわ」
「そうしてくれると助かるよ、金多さん」
「マリア、アタシたち、味方同士じゃないの?」
「それはそれ、これはこれ、ですわ。
私は、宇津路さんに堂々と勝ちたいんですの」
「おっぱいは柔らかいのに、頭は固いなぁ、マリアは」
「何とでも仰ってください。
では、キララさん、私、宇津路さんの並びにしましょう」
「これくらいかな」
「十分だと思いますわ」
「上げる足は、どっちでも良いの?」
「それぞれでバランスを取りやすい方で良いですわ」
「なら、アタシは右足で立とっ」
「俺も右足でいいかな」
「左足で立つのは私だけですのね」
「いや、ここは、ギンちゃんには、ハンデとして、左足で立って貰うべきだと思うな」
「構わないよ」
「宇津路さん、良いんですの?!」
「まぁ、男女でやる以上、男の俺が、ある程度のハンデを負わなきゃ、アンフェアだと思うしね」
「よし、これで、ちょっと勝率が上がったぞ」
「勝つ為なら、とことん、何でもやりますわね、キララさん。
その貪欲な姿勢、そこに痺れ、憧れてしまいますわ」
「じゃあ、始めようか」
「3、2、1、GO、で足を上げるよ」
「問題ないよ」
「OKですわ」
「「「3、2、1、GO!!」」」
「30秒経過~」
「ふふ、アタシは、まだ余裕だもんね」
「うっ、ぐっ、ぬんっ」
「金多さん、無理しないでね」
「金多家に相応しい、美姿勢保持の訓練をしている者として、負けられませんし、負けたくありませんわ!!」