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宇津路くん、アソびましょ  作者: 『黒狗』の優樹
罰ゲーム五個目
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罰ゲーム五個目⑮

 「やっぱり、ギンちゃんのファンは一味違う行動をするねぇ。

 いや、マリアのパパだからかな?」


 「宇津路さんの絵を購入した方全てが、お父様のような奇行をしていたら、ちょっと、ホラーですわよ」


 「でも、そこまでさせるだけの『何か』が、ギンちゃんの絵にはあるからね」


 「そこは同意しますけども。

 もしも、お父様が、あのデュラハンの絵の事を知ったら、絶対に購入しようとしますわ」


 「買うだろうねぇ。

 絵を売るか売らないか、の判断は基本、ギンちゃん任せだけど、マリアのパパの圧に押し切られちゃう可能性は大きいよね」


 「お父様以前に、理事長が宇津路さんに、あの絵をオークションに出す事を提案する可能性もありますもの」


 「あー、それはあるか。

 ヴィービルちゃんは、ギンちゃんのファンナンバー1を公言してるから、オークションに出品するわ、絶対」


 「お父様が、あの絵を落札してしまったら、私、家に帰れなくなってしまいますわ」


 「このマンションに引っ越してきてるんだから、問題ない気がするけど」


 「さすがに、ずっと帰らない訳にはいきませんわ」


 「まぁ、クリスマスとかお正月くらいは帰るべきだよね、マリアは」


 「―――・・・宇津路さんは、絵を描く、その時だけは超集中しますけど、いざ、描きたい絵を描き終えたら、それに対する執着がほぼ無くなってしまうタイプ。

 理事長が、オークションに出すよ、と言ったら、二つ返事で渡してしまいますわ」


 「手元に残してるのは、アタシたちを描いた絵くらいだからねぇ」


 「理事長に渡さないでくださいませ、とお願いしたら、宇津路さんは首を縦に振ってくれるでしょうか?」


 「ギンちゃんはお金が欲しくて絵を描いてる訳じゃないから、アタシたちが、そう頼んだら、いいよって言ってくれるだろうけど、ヴィービルちゃんが良しとしてくれるかは微妙?」


 「ですわよねぇ。

 理事長は、宇津路さんと違った意味合いで、絵が関わると怖くなるんですもの」


 「ぶっちゃけ、マリアのパパたちよりも、ギンちゃんのガチファンだからね。

 前、ヨウチュベでギンちゃんの絵をボロクソに酷評した奴、いたじゃん」


 「いましたわね。

 あの方は不幸にも、鉄骨の落下事故に遭って、お亡くなりになった、と聞きましたわ。

 やっぱり、あの噂は本当なんですの?」


 「どうなんだろうねぇ・・・けど、ヴィービルちゃんなら、ヤッても不思議じゃないってのは、皆、心の中で思ってるんじゃないかな」


 「それだけの力が、理事長にはありますものね」


 「ギンちゃんへの愛は、誰にも負けてないって自負はあるけど、絵師としての宇津路白銀の愛だけで言ったら、さすがに、ヴィービルちゃんに勝てないなぁ」


 「となると、やっぱり、今回も、オークションに出されてしまいますわね、あの力作は。

 今、私に出来るのは、せめて、お父様ではなく、どこかの美術館が競り落としてくれるのを心から祈る事だけですわ」


 「ギンちゃんの絵がオークションに出るとなったら、一応、マリアのママがチェックを先にするんでしょ?」


 「えぇ」


 「なら、さすがに、あんな不気味で物騒でぶっ飛んだ絵を、マリアのパパに買わせないでしょ。

 あんな絵が屋敷に飾られたら、全員、下着が足りなくなっちゃうじゃん」


 「一理ありますわね」


 「もし、あのデュラハンの絵を、どっかの美術館が買ったなら、展示する前に売店へ下着コーナーを設置するようにアドバイスした方がいいね、絶対」


 「下手をすれば、その売店で一番、売れる商品になってしまいますわね、下着が」


 「こう言っちゃ何だけど、あの絵で漏らしちゃったのはラッキーだったかも」


 「え、どういう事ですの」


 「パンツを汚しちゃったんだから、ノーパン状態でギンちゃんの前でダンスをしても、違和感は少ないじゃん」


 「なるほど?」


 「あんな凄い絵を描ける所も含めて最高なギンちゃんを悩殺するチャンスは、むしろ、今なんだよ」


 「そう言われると、俄然、そんな気がしてきましたわ」


 「マリア、絶対にギンちゃんをムラムラさせよう」


 「えぇ、私たちなら、絶対に宇津路さんをドキドキさせられますわ」


 「ギンちゃんを勃起させれば、こっちのものだよ」


 「必ず、宇津路さんのアソコを大きくさせてみせます」



 「あ、キララちゃん、金多さん、お帰り」


 「申し訳ありません、掃除は私たちがすべきだったのに」


 「気にしないで」


 「そうだよ、マリア。

 チビるだけじゃ済まない絵を描いたギンちゃんが悪いんだから」


 「ちょっと、キララさん、そんな言い方は」


 「ハハハハ、大丈夫だよ、金多さん。

 むしろ、俺にとっては誉め言葉みたいなもんだから」


 「そうなんですの?」


 「やっぱり、ギンちゃんは変わってる」


 「ところでさ、二人とも、どうして、チアリーダーの格好をしてるの?

 さすがに、それしか着替えが無かったって事はないよね」


 「ギンちゃんにはお詫びとして、今から、アタシたちのダンスを観て貰うよ」


 「さぁ、そこに座ってください」


 「あ、うん」


 「ミュージックスタート!」

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