表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空のむこう  作者: マン太
11/13

後日談 その後

 すばるはその後、両親とも涙の再開を果たした。

 俺はコウのあの家を正式に買い取って、すばると二人の生活を始め。

 何もかもが新鮮で、光に満ちていて。

 この手にすばるが帰って来た事が、今だに信じられずにいた。

 それをそのまま、すばるに伝える。

「だって、死んだって思ってたんだから」

「それは…ごめん」

 すばるはベッドの上、俺の腕の中で小さく縮こまる様にして見せた。

 細く引き締まった身体は、すっかり日焼けしている。すばるを助けた『じいちゃん』を手伝って、ずっと漁船で海に出ていたと言う。

「すばる。潮の香りがする…」

 くんと鼻先をその首筋へ埋め、匂いを吸い込む。

「くすぐったいっ。なんか、犬みたいだって」

「いいだろ? 全部、ちゃんと覚えとかないと…」

「それに、俺シャワー浴びてるから潮の香りなんて──」

「するんだ。海、抱いてるみたい…」

「んだよ。それ」

 照れたすばるの声。ぎゅっと抱きしめ、キスを落とした。

 耳や耳の後ろ、首筋に鎖骨。

 順々に辿って行く。既に一度ならず事は済んでいたのだが、一旦、始まると止められなくなる。

 紅い痕が散るそこかしこに、当分水着だけにはなれないだろうな? と思った。

「な。もう、一回。…いい?」

「いいよ。何度だって」

 照れ臭そうに笑うすばるに、ドキンと胸が高鳴る。

 因みにまだ朝の十時過ぎ。

 朝食だって食べてない。今日はもう、このまま、ダラダラとすばるとベッドで過ごすのだと思う。

 

 なんて、幸せな時間だろう。


 すばるの了解を得た俺は、またその身体に、熱に溺れて行く。

 一つ、一つ。その反応を確かめながら、胸に刻んで行った。


 俺だけの、すばる。

 


 ―了―

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ