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第3話 生徒会会議

そして始まる生徒会会議

「あ、秋紗君もういるのね」

「秋紗、早いわね」

鳴霞と談笑していると純恋と詩織と佳織が3人揃って生徒会室にやってきた。


「みんな、今日は久しぶりの会議よ」

純恋は入って早々部屋の隅にあるホワイトボードの黒板を持ってきてはそう言った


「純恋先輩、久しぶりに全員揃っての会議ですね」

鳴霞が少しだけ嬉しそうにそう言っていた。

僕が記憶を失って病院生活をしていた間は4人でしていたのだろう。だからこうして全員揃うのが嬉しいらしい。



「今回の会議はこれよ」

純恋は黒板に学校祭まであと1ヶ月半と書いた。


「学校祭って、この学校でやる祭みたいなものだっけ?」

僕の記憶が正しいかどうか学校祭の事を聞いた。

学校でやるお祭りみたいなものだと何となく認識している。


「先輩、合ってますよ」


「それで、今回は文化祭2日体育祭は1日間やることに決まったわ。これは今までとは違うから注意してね」


「え、今までと違うの?」

違うって何が変わるのだろうか。僕が自然とそう口に出すと


「私は去年はまだ中学生でしたが、文化祭と体育祭は1日間だけということは知っていました。だから、今年からは文化祭が2日間になって以前とは違って事ですよ」


鳴霞が丁寧に説明してくれた。



「それで、文化祭で披露されるのが吹奏楽部の演奏、合唱部の歌、先生たちの演奏、学年ごとの劇、部活動の劇、生徒会の劇」

ちなみに先生たちの演奏は毎年2.3曲先生らが楽器を演奏したり歌を歌ったりするらしい。

そして、学年ごとの発表は学年が団結し、発表するらしい。


「え、生徒会の劇って何!私達そんなことするの?」


佳織が黒板に書かれた生徒会の劇という文字を見てすかさず椅子から立ち上がった。


「二日間になったせいで、私たちは劇をやらなくちゃいけないの。だから、それで何をやるのか決めるのが今日の会議の目的よ」


純恋が佳織の問いに答え、純恋自身も劇をやるのは嫌だと言ったが、先生らの意見で拒否するのができなかったらしい。


「あの、劇って物語みたいな物を自分でやることだよね?」

僕は隣に座っていた鳴霞に聞き、鳴霞はそうですと答えた。


「えーと、私たちは女4人男1人だからやるなら秋紗君が主人公がいいと思うけど、何か意見はあるかしら?」

純恋が僕の方を見てニコッと微笑みかければそれでいいかしらと言って。

「あの、僕は別に大丈夫だけど、僕なんかでいいの?」

「先輩は何でもできる人なので、きっとできますよ」

「秋紗なら大丈夫よね」

「秋紗先輩なら大丈夫っすよー」

満場一致で僕は劇の主人公になった

「でも、何の劇やるんですかー?」

詩織は純連にそう聞いた

純恋はその質問に答えず、黙って黒板に文字を書いていた。

そして、黒板には......

「えっ?1人も男性と4人の魔女?聞いたことないわ」

佳織が黒板に書かれた文字を見てそう答えた。

「えっ、それってどういうこと?」


すかさず僕もそう聞いて。記憶を失っている僕ならともかく佳織も知らないとなると劇をやるにしても難しいんじゃないか?



そして純恋は答えた

「それは、私たちで劇を一から作るのよ!」


開いた口が塞がらないというのはこういうことだ。

少しの間の後僕1人がどういうこと?と聞いて沈黙は途切れた。

「つまり、私たちで全て作り、オリジナルの劇をやるってことよ」

「ええー!!」

純恋以外の女子3人が廊下にも響き渡る声を出し、それぞれが違う理由で否定して。


「純恋先輩、いい案だと思いますがさすがにそれは時間が足りないと思います」

「先輩!私たちの中にそんな物語を考えられる人はいませんよ!」

「純恋、秋紗はまだ記憶は全然戻ってないからそんな難しいことさせないほうがいいでしょ」


全員の否定をものともせず純恋は続けた。

「大丈夫、私が考えたわ。それはーーー」

純恋は自分で作り上げて物語を僕たちに伝えた。


簡潔に説明すると......

小さな村に1人の男性が住んでいた。

そしてある日4人の魔女がお腹を空かせ、この村に迷い込んできた。

その男性は魔女を助け、そこに住まわせお世話をしていた。

そして魔女達は男性に恋をした。その男性を自分の夫にするために魔女達は男性にアピールするという物語らしい。


「そして、誰を選ぶのですか?」


「そりゃ、もちろん。本番私たちは衣装を自分たちで作って劇に出るわ。それぞれ男性にアピールすることも自分で考えてね。そして、秋紗君が1番妻になってほしい人を決めて!そして、最後にその2人はキスをするふりをして終了というわけよ」


「じゃあ、本番になるまで結末はわからないというわけ......?わかったわ、でも面白そうね」


さっきまで反対していた佳織も話を聞けばノリノリになっていた。

腕がなると言わんばかりに腕まくりをしてやる気もありそうで。


「じゃあ、秋作先輩を誰が取るかの勝負になりますね」

鳴霞は小さな声でそう呟くと生徒会室は沈黙に包まれる。



え?なんで急にみんな黙るの?

ってか...僕は誰を選べばいいんだ?



「もし、先輩が私を選んでくれたら......」

詩織は自分で選んでくれる先輩を想像し


「もし、秋紗が私を......」

佳織も想像し


「秋紗君が私を......?」

純恋も想像した。


「絶対に負けられない!」

秋紗には彼女達の目が変わった気がした。

秋紗には荷が重そう

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