転生→転職!
私は横見和男だ。会社員をやっている、否やっていた。私は退社後、通り魔に襲われ死んだ。死んだのだが私は農民リータとして異世界である寄神にいる。なぜこのような状態なのか。それは神ジャータが、神の世界においての自らの力を高めようと適当な死者を異界に送り込み、そこの魔王を殺させようと考えていたところで私が死んだからだ。拒否権があったか?そのようなものは当然なかったさね。むしろ脅迫してきましたよ。あの女は確かこう言ってたな、
「あなたには異世界寄神に転生してもらいます。そこであなたは現地の魔王を倒してもらいます。そしてなんと、あなたには転生特典として前世とこのやり取りの記憶を維持したまま転生することが可能です。うん?拒否権?笑わせないでくださいよ。そんなもんあるわけないじゃないですかwww。私だってこの神の世界での権力をもっと得たいのですわ。まあどうしてもいやだというならばあなたの魂をこの世界から抹消します。それは嫌でしょ?ね?ちなみにあっちの世界で魔王殺せなくても然りよ。じゃあ転生開始~!」
とね。この世界は封建制を維持し、技術レベルも産業革命以前って感じだ。記憶に関しては、いわゆる前世で見たような異世界もんとは違って、いわゆる急に前世の記憶が入って来たり、生まれる瞬間に前世の記憶を取り戻したりというよりは、なんか例えづらいが、前世に関する頭の引き出しが少しずつ開いていく感じで7歳ごろには完全に記憶を戻した。ただ、自分に少しでも魔王を殺すのに有利な技でもないかなと思い調査してみても収穫はなかった。つまり前世で得た兵法に関する知識が唯一の魔王を殺すカギってわけだ。ただ戦うにせよ金が必要だ。だから私はいま農業と酒場のバイトを掛け持ちしているが、自らの鍛錬のため冒険者、というよりはいわゆる魔物から町を守りそれにふさわしい対価をいただくことができる仕事も始めようと思っている。
この時私はまだ知らなかった。これから私の人生が九十度方角が変わることになろうとは・・・。