赤い目
百物語十九話になります
一一二九の怪談百物語↓
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私って霊感強いんですよ。
あっ!信じてませんね?
それじゃあ、私が最初に見た幽霊をお話しますね…
あれは私がまだ小学校3年生の時でした。放課後になると、友達を集めてほぼ毎日校庭で遊んでいました。
私たちが遊ぶ場所は、体育館の近くにある大きな砂場でした。ここで縄跳びをしたり、砂のお城を作ったり…
私にとってこの砂場は、友達と過ごす大切な遊び場でした。あの事件が起きる前までは…
この砂場で遊ぶ時、私は毎回「怖いもの」を見てしまうのです。砂場の近くには、小さなトイレがありました。このトイレを使用する生徒は、体育の時間か運動会の時ぐらいでしょう。汚くて薄暗いし…あまりいいトイレではありませんでした。
放課後、私はそのトイレで毎回怖いものを見てしまうのです。時間は夕方の16時55分、最終下校時刻の5分前。
その時間にトイレの方を見ると、必ず出入口から「赤い目の女」が私たちを睨みつけているのです。真っ白なワンピースに長い髪の毛、そして無表情の奥に光る赤い目。その女を初めて見た時、私はこう思いました。
「あの人、絶対におばけだ!」
その女が現れるのは、夕方の16時55分から17時まで。下校のチャイムが校内に鳴り響いた瞬間、その女はいつの間にか消えているのです。女は私にしか見えておらず、他の友達は見たことも聞いたこともなかったみたい…
怖くなった私は、絶対にあのトイレだけは使わないと決めていました。特に16時55分から17時までの間。この時間帯だけは、絶対にあのトイレへ入ってはいけない。そんなことを考えながら、いつも通りの日々を過ごしていました。
事件が起きたのは、すっかり寒くなった11月の後半。時間は放課後、私と友達はいつも通り砂場に集まっていました。時間は夕方の16時55分、いつもなら見ないように注意しているのですが、その日はたまたまあのトイレの方を見てしまったのです。
「ああっ!」
赤い目の女が砂場で遊ぶ私たちを見ていた。私は女の存在に気づかないふりをしながら、友達と一緒に下校の準備を始めた。急いでランドセルを背負うと、手を洗うために手洗い場へ向かう。その時…
「ちょっとトイレに行ってくるね!」
友達と別れて校庭に向かう上級生の女の子とすれ違った。今考えれば、声をかけて止めるべきだったと後悔しています…
私は手を洗うと、忘れ物を取りに教室へ戻った友達を校門の前で待っていました。しばらくすると、近くにいた上級生たちが騒ぎ始めた。
「おい、校庭のトイレで何かあったらしいぞ!」
私は上級生たちと一緒にあのトイレへ向かいました。すると…
「早く先生呼んで来い!早く!」
「トイレに入るな!」
「うわああああああああっ!?」
トイレの前は騒然としていました。泣き叫ぶ下級生にパニックになる上級生…
私は恐る恐るトイレへ近づくと、勇気を出してトイレの中を覗いた。そこで見た光景は、今でも覚えています。
赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤…
トイレの中は、壁も床もすべて真っ赤に染まっていました。汚かった壁が、カビだらけだった床が…綺麗な赤に染まっていたのです。
トイレの中央に「大きな肉片」を見つけましたが…私からは何も言えません…
すぐに先生たちがトイレへ駆けつけると、現場にいた生徒たちはすぐに教室へ集められました。警察や救急車も入ってきて、学校は大混乱ですよ。
次の日から学校は1週間休校。あの校庭のトイレは封鎖されることになりました。そう、封鎖されただけなのです。
普通そんな事件があったトイレなんて、壊しちゃう方がいいと思いませんか?
保護者会でも色々言われたみたいですが、あのトイレは封鎖することで落ち着いたみたいです。どうして壊されなかったのか、理由はわかりません。
ちなみに今でもまだあるんですよ、そのトイレ。出入り口に頑丈なバリケードが置かれているので、中に入るのは不可能ですが…
行ってみたいですか?そのトイレ…
どうしても行くのなら、日が明るいうちをお勧めします。16時55分から17時までは、絶対にトイレには近づかないでくださいね。
絶対に、約束してください。