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勇者の一歩  作者: 勇者
8/10

親衛隊長

 「このオーク風情が……恥を知りなさい!」


甲高い声が耳を打つ。エルフ族長だ。


 「牢屋から逃げ出して、また現れるとはね……あなたもここで殺すわ。親衛隊長!」

 「はっ!」


親衛隊を引き連れ、親衛隊長が前に出る。


 「ダイ、あの剣には注意してくれ」

 「わかった」


親衛隊長が持つ剣には風が纏っている。素早さが上がっているのだろう。親衛隊長の頭上に Lv 11 と表示されている。

こちらは 

俺:Lv 5 ダイ:Lv 8 

オーク長:Lv 9 オークキング:Lv 12 だ。オークの力で勝つ!


 「そこっ!」

 「なっ!」


親衛隊長の剣がきらめく。ユウに18のダメージ! ダイに20のダメージ!


 「まてまてまて!」

 「2回行動……だと」


こんな序盤から2回行動の敵が現れてたまるか! ゲームバランスおかしいだろ! 

こっちのHPは ユウ:HP 37/55 ダイ:HP 30/50。 狙われたら終わる……。こういう敵相手は、攻撃がばらけることを祈ってゲームやってたけど、ちょっときつすぎないか!?


 「うがあ!」

 「ふん!」


そうだ、こっちにはオーク長とオークキングがいるんだ! やっちまってください!


 「当たらぬ」


オーク長とオークキングの攻撃は親衛隊長に届かない! 周りの親衛隊に40のダメージ! 親衛隊は倒れた! 

予期せず周りの親衛隊にぶつかり、親衛隊長のみとなったが、これは……。


 「はぁぁ……!」


親衛隊長が構える。大技がくる。そう感じた。まずい!


 「風天乱舞!」

 「ひいい!」

 「うがあ!」


回転しながら親衛隊長が斬りつけてくる! オーク長がみんなをかばう! 

オーク長に攻撃が集中! 25のダメージ! 25のダメージ! 25のダメージ! 25のダメージ!


 「オーク長!!」

 「う、が」


オーク長が片膝をつく。HP は……。HP 20/120 。


 「ダイ!」

 「任せろぉ!」


ダイが小火球を飛ばす! ミス! 親衛隊長には当たらない!


 「そんな攻撃、遅すぎるわぁ!」

 「そいつはおとりさ!」

 「なっ!」


ユウは親衛隊長の後ろから斬りつけた! 雷鳴斬り! しかし当たらない!


 「ふん、気づいてから間に合う遅さだ! ははは!」


俺の雷鳴斬りを躱し、高笑いする親衛隊長。だが、甘かったな。俺たちの勝ちだ。そこには……。


 「うがああああああああああ!!」

 「なっ……!」


オークキングの気合の一撃! 大きな斧を一閃! 

親衛隊長に100のダメージ! 親衛隊長は倒れた!


 「な、何とかなったな……」

 「ああ」


ダイと肩で息をする。あえてミスを連発し、キングの前に誘導するしかなかった。まさに、賭けだった……。親衛隊長一人にここまで苦労させられるとは。あとは族長だけか、そういえば族長はどこへ……。


 「ああ、つまらない、つまらないわ」


頭上から声がする。上を見上げると。


 「所詮、オークよねえ」


そういって、空中に浮かび目に見えないイスに座っているかのように足を組み、こちらを見下すエルフ族長がいた。頭上のLv は 13。


 「さ、もう飽きたわ」


エルフ族長は大きな宝玉のついた杖を振るう。


 「うがああ!!」

 「うぐ!」


エルフ族長の攻撃! 封印の杖! オークキングは動けない!


 「こ、このエルフ……!」

 「オークキング!」


ダイが叫ぶ。オークキングは床に縛り付けられている。


 「さて、どうしてやろうかしら」

 「うぐぐ」

 「そうねえ……とりあえず石にでもなっててもらおうかしら。あとでゆっくり殺してやるわ」


エルフ族長が呪文を唱える。 オークキングは石になってしまった!


 「ああ。もう面倒ねえ。あとは人間だけね」

 「くそっ!」


どうする。頼みのオークキングは石化してしまった。

オーク長は瀕死状態で、もはや動けない。

あとは俺とダイだけで、こいつに勝つ……? どうやって……?


 「さ、おしまいにしましょう」


エルフ族長の派手な服装飾が炎で赤く輝いていた。





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