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静かが好きな結界使い  作者: 蒼色
三章 氷精霊と魔法剣士
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二人組(男子)

書いているときに、電気器具を併用しすぎたのかブレーカーが落ち、書いていた内容がすべて消えました...。とりあえず、前半後半という形で、投稿します。後半部分は4月30日の正午に予定しています。

そのためかなり短いですがすみません。


「レイの父さんは規格外なんだな。」


隣にいるエインが言った。


「僕もまさかこうなるとは思わなかった。」


「へ~、でどういう状況なの?これ。」


その隣にいるマナが問う。


「目の前に巨大生物。」


フーラがいつものように淡々と答える。


「付け加えるなら、魔物の中でも最高クラス。」


僕が補足する。


「それに加えて、その上には人が乗ってるわけか、信じらんねぇ。」


エインがさらに補足。


「ねぇ、そろそろ現実を見ない?」


マナが呆れつつも、自分も現在の状況を直視しようとしている。


「いや、だってよマナ、こんな現実見たくねえじゃん?もし野生なら俺ら今頃死んでるぞ。」


「そうだけどね...。ああもう!フーラ!どうにかして!」


「今は敵対している訳でもないから下手なことしないほうがいい。」


「同じく。」


フーラの意見に賛同しておく。


「ほら、いい加減現実に戻ってきなさい~!!」


ミルの声。


「「「「黒竜!?」」」」


そう、僕らの目の前にいるこの黒い竜は、僕のお父さんに従う竜種としては最高格でもある竜だ。


















「いや~すまん、久しぶりに息子に会いに行くから張り切っちまってな。」


「いや~、まさかレイの父さんがあの猪突猛進だとは思わなかった...。」


エインはしみじみとつぶやく。


僕とエインは同じ大剣使いだあるお父さんと、固有結界を練習するためにお母さんに修業をつけてもらうため、僕の家があるルリアック山に来ていた。ただ、お父さんが迎えに来るという話だったので、学園で待っていると、突如飛来してきた黒い物体が現れ学園の校庭に着地した。

ミルが幻術系統の魔法をとっさにかけたため騒ぎは起きなかったが、四足なら城一個分の幅をとる黒竜を隠すのはつらかったようで、かなり眉をひそめていた。

そんなわけで、ミルと修業するマナとフーラを置いて、黒竜の背中でフライトしているところだ。


「景色が雪一面変わってきたな。レイ、あとどのくらいで着くんだ?」


エインが早くこの不安定な地面、もしくは、地上の生物でも、最高峰の魔物の背中に乗っている状態からぬけだしたいのか、うずうずとしている。


「多分もう少しじゃないかな?だよね、お父さん?」


「ああ。フラム、そろそろ降下してくれ。」


お父さんが、おそらく、この黒竜の名前を呼ぶと、黒竜は次第に減速しゆっくりと下へ降りて行った。


「もう我慢できねえ!先行くぞ、レイ!」


もう着地するぐらいのころに、エインは黒竜の背中から飛び降りた。ただまあ、ビュルンデルに住んでいる人にとって、雪はなれない地面、未知の場所のようなものだ。だから、エインがキレイに着地できるはずもなく、あえなく雪に倒れこんだ。


「ぶふっ!!」


口にでも入ったのかな?


「レイ、エイン、着いたぞ~。」


「あ、はーい!」


僕は返事をしながら、黒竜が橋のようにしてくれた羽を伝って地上へと降りる。


「エイン、ほらっ起きろ。」


雪に埋もれているエインに手を差し出す。


しかしエインは飛び降りた勢いももあってか、思ったよりも深く沈んだようで、しばらくもがいていた。


そのうち、エインは見事雪から脱出し、寒い寒いと言いながら駆け出し、またこけた。


今度は、お父さんが上着と共に、エインを助け起こし、家へと向かった。


「久しぶりだなぁ。」


五年ぶりの帰省、僕や、エインたちは変わっていたが、相変わらずなお父さんを見る限り、お母さんも変わっていないだろう。


「ポレット~帰ったぞ~。」


お父さんはドアを開けながら、お母さんを呼ぶように言う。


「はーい!お帰り~。」


それに返事をするように玄関に現れたお母さん。


「あれ、三人なのね?てっきりあなたも入れて五人かと思ったけど...。それより、お帰りレイ。いろいろ あったみたいだけど元気そうでよかったわ。」


そう言って、浮かべた笑みは以前見た笑顔と変わらなくて、家に帰ってきたことの安心といつもと変わらぬ二人のやさしさに僕は目頭が熱くなるのを感じた。

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