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静かが好きな結界使い  作者: 蒼色
二章 空白の5年間中編 契約の旅
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来るものを魅了する洞窟

埋め合わせ分です。しかし、PV10000記念の分もあるので埋め合わせ分は変わらず2話...。

「思ったより遠くなかったな。」


僕は今、昨日話していた水晶の洞窟と言う場所に来ている。


「アンタがおかしいのもあるけどね。さあ、早くいきましょう。」


「それもそうだな。でも、水晶てことはそれなりの値段で売れるってことだよな。

 もう少し人がいてもおかしくないはずなんだけど.....。」


「まあ、いくら一攫千金のチャンスがあるって言っても、それほどお金に困る人は

 あの国にはいなさそうだったから、ここに来るのは遠くから来る人でしょう。」


「ん~、もしかしたら、水晶が取れすぎて売価が低下してるとかかな?」


「ああ~それもあるかもね。とりあえず行きましょう。私も気になるし。」


そして僕らは水晶の輝きが漏れる洞窟へと歩を進めた。







「すごいなぁ。こんなところがあったなんて、世界はまだまだ広いや。」


「これだけ広ければこんな場所はあるでしょうけど、これはすごいわね。」


僕らが見たのは床、壁、天井まで、びっしりと水晶でおおわれている。

床の方は人が通れる程度にはなっている。


しかし、採りにくいであろう天井には所狭しと水晶が生えている。


その水晶たちは互いに発する輝きを反射させ、さらに綺麗な物へと変えている。

それは見るものを魅了する小悪魔のようでもある。


「奥の方はどうなっているのかしら、もっと奥に行きましょう!」


「いいけど.....。」


「どうしたの?」


「いや、大丈夫。行こうか。」


「ええ!!」


さっきからはしゃいでいるメディは嬉しそうに奥へとかけていった。


「う~ん。なんか操られているというよりは誘導されているような感じがするけど...。」


僕は精神捜査については詳しくないから、分からないけど。

前のように幻術の類にかからないように魔結界を展開しているんだけど、

さっきからほんの少しだけ揺れているというか何かの攻撃を受けているかのように感じた。


それこそこの水晶の眩しいぐらいの輝きに惑わされているのだろうと思い、

何も考えないことにした。ただ、よく考えてみれば....。


「レイー!!早く早く!こっちにも色々あるよ!」


「分かった。すぐ行く!」


せっかくのお出かけみたいなものだ。気楽にいこうと決めて僕は先へと進んだ。







次に広がっていたのは様々な色の輝きを放つ水晶たちだった。


何も考えずに散り散りに散るように存在する水晶もあれば、

誰かが作ったのかと思うほど、綺麗なグラデーションで並んでいる水晶もある。


どれも、言葉で伝えるには足りないほどきれいで美しい。


もしかしたら観賞用になるかもしれないが、一応刀に使えそうな水晶を探しに来ているという、

正直忘れてしましそうな目的もある。


そのため、水晶に近づいてはコンコンとこぶしでノックするように叩いてみたりしているが、

どれも脆いものばかりだ。やはりクリスタルタートルの水晶を探すべきかな。


「わあー!見てみて黒まである!何色あるんだろうね!」


一方さっきからはしゃいでばかりのメディは珍しい色を見つけては、

いつの間にか持っていた僕のとは別のマジックバック(ポーチ型)に入れていた。


楽しそうで何よりだ。


「(なんかさっきより結界が揺れている気がする。)」


小声でつぶやいた声に反応したのか、メディがいきなり。


「レイ。どうかしたの?顔色は悪くないけど...。せっかくなんだからもっと楽しみましょうよ!」


「ん、ああ。」


「今度は何があるかな~?」


またメディはうきうきと駆け出して行った。


「おい。あんまり先に行くとはぐれるぞ~。」


「大丈夫よ!」


いつもより子供っぽい口調になっているので心配でしょうがない。って、僕は親か。


「ねえ!レイ!今度は水晶が動いてる!!」


「はあ!?水晶が動く訳.....。あっ!そいつはクリスタルタートルだ!気をつけろ!」


「えっ!クリスタルタートル?キャ!」


『すぐ行く!持ちこたえろ!』


これ以上あまり刺激しない方がいいと思ったので念話に切り替える。


『わ、分かった!』


メディがその意図を理解してくれたかは分からないが念話に切り替えてくれた。


『今は行けそうか?』


『とりあえず氷壁で防いでる。あと一分しか持たないから早く!』


『もう着きますよっと』


クリスタルタートルに襲われているメディを発見し、

すぐさまクリスタルタートルにすれ違いざまに一閃。


キン


しかし刀ははじかれた。

予想はしていたが予想よりもはるかに堅そうだ。


『魔法なら効くか?』


『さっき氷柱を撃ってみたけれど、効果は無しね。』


『魔法も物理もだめ、となるとこのでかいやつをどうやって転ばすかだな、

 体中は水晶に覆われてるしな。』


『とりあえず注意を引いてくれない?もう氷壁が持たないわ。』


『了解。』


僕はクリスタルタートルの唯一水晶に覆われていない目に向かって刺突をする。

だけどすぐに頭を下げて刺突をはじいてきた。


そして突進が来た。


「結界[防壁]」


バリン!


「やば。」


とっさに飛びのく。でもその後ろにはメディの氷壁。


氷壁はすぐに崩れ落ちた。


「メディ!」


これはきついかもしれないな~





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