表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
静かが好きな結界使い  作者: 蒼色
一章 神に仕える一家の息子
4/75

実技試験 その3

実技試験終了!

「そこまで!」


とともに全てを消してしまった人は女性だった。


「え...?」


あまりにも突然の出来事についていけないレイ、しかし先生が、


「が、学校長!?」

「生徒相手にその技はやりすぎです、グラン先生。」


先生の驚きの声を無視して先生を注意する学校長。


「も、申し訳ありません!しかし学校長は1-1の生徒の相手を

 していたのでは?」

「確かにそうですが、ここから1-1の使用する舞台まで遠いのは

 事実です、だからといって、貴方はこの学校では私に次ぐ実力者です、あんな

 技を使えるのは貴方だけですそれは分かっているはずですよ、グラン先生。」


1-1と言ったら貴族生徒のクラスしかもその中の爵位問わず実力者が

揃っているクラスだ。恐らく魔法使いならマナ、戦士ならエインのような

実力者たちがゴロゴロいるだろう、それよりなぜ、グラン先生はビュルンデル学校

で2位の実力をもつのにこの平民がいるクラス1-4にいるのだろうか。

普通なら1-2にいるのが妥当なはずだ、そんなぼくの思いは

先生が答えを出してくれた。


「貴方の要望である平民のクラスから1人でも多く有名になれるものを増やすために

 俺を1-4にしてくれという要望は呑みましたが、試験で有望な生徒にこんな大技

 を生徒に使うのは少しやりすぎだと思いますよグ・ラ・ン・先生」


笑っていない笑顔で注意する学校長、矛盾しているが一番似合う表現だ。

周りのクラスメイトも苦笑いをしている。


「そ、それについては.....」

「私がここで色々いっても試験は進みませんね、この話は後で話すと

 しましょう、では1-4の皆さん試験を続けてください。」

「は、はい!」


少し戸惑いつつ返事をする僕ら一同。

顔に疲れが見えるグラン先生が次の生徒を呼ぶ、あと数名だったが特に

これといったことは無かった。


最後の一人までは......。


「これで最後か、最後はフーラ舞台へ上がれ!」

「はい。」


フーラと呼ばれた少女は返事をして舞台へ上がる。


「よし、来い!」


珍しい細剣を構えた少女は無言で斬りかかる。

しかし、そこには淡い赤を纏った細剣であることに気付いているのは少数だろう。

先生もそれに気づき受け止めるのではなく避けることにしたようだ。


ダダダダーン!

少女の斬りかかった場所が連続で爆発を起こした。

魔法剣、なかなか習得出来るものではないのだが、しかも連続、

かなりの使い手だ、追撃とばかりに少女は白い光が細剣に宿す。


「五月雨突き・魔法剣ストーム」


しかし少女がそれをとなえるとそこへ淡い緑が宿る。

そして先生へ斬りかかる、いや、連続突きというべきだろうか、さらに魔法剣で

加速しそのまま突進の如く先生へ突きにかかる。


「回転防壁」


僕の桜ノ舞を防いだ技だ、剣には白い光に緑が混じっている。

だが、さすがの先生も加速した突きを受け止めきれず、大きくのけぞった。

そこへ、すかさず斬りかかる。


「魔法剣ボンバーラッシュ」


そう唱えて。


「魔切断・改」


そう呟いた先生は魔法使いとの時に使ったような技を使った。

でも何かが違う、よく見ると剣に纏う白い光が強く発光している。


先生はその強く発光する剣でそれを防ぐ、すると少女の細剣

の光が消え、当然ながら力で負けているので跳ね飛ばされる。


「まだだ。」


先生のまだ消えていない光が斬撃を作り追撃する。

少女はもう一度ボンバーラッシュを使い防ぐ、だが斬撃は止まらず

命中する。命中したとはいえ威力は弱まっている、が少女の細い体では

弱まっているとはいえ、吹き飛んでしまう、

そこへ先生が追いかけて倒れている彼女へ剣を向ける。


「これで終わりだ。」

「はい...」


あまり感情を見せない彼女も悔しかったのか声が小さくなっている。


「ふう~、今日はこれで終わりだ、帰っていいぞ。

 明日からは授業を行う、明日から始まる勉強づくしの毎日のために

 ゆっくり休んでおけ、以上だ、解散!」


こうして1-4の長いような短いようなそんな日が終わった。






翌朝。


「ふああああ~」


少し大きい欠伸をしつつ目を覚ますレイ。

準備を整えて寮から出る。


校舎に入る、1-4は2階なので階段へ向かう、

ちなみに1階は、職員室や授業で使う実技室や実験室などがある。


階段へ行くと昨日最後に魔法剣を使い先生を追い込んだ少女、フーラがいた。

彼女も1-4へいくために会談を上るところだった。


フーラは少しふわっとしたストレートの水色の髪を持っている。

顔もきれいにパーツが整っている、

クールビューティといった感じだ。


「フーラ、昨日すごかったね。」

「貴方は...レイ...昨日は貴方の方がすごかった。」

「う~んそうかな?でもフーラも珍しい剣や使い手の少ない魔法剣

 を使っているけど。」

「..魔法剣は決め手に欠ける。細剣も打ち合いに弱い。」

「そんなことをいった僕もそうだよ。刀は防御も受け流しもあまり出来ない。

 抜刀術も見切られると決め手に欠けるよ?」

「..でも貴方には刀の弱点を補える。」


確かにそうだ、それを言われると何も言えなくなる。

言葉が見つからず沈黙しているとフーラが声をかけてきた。


「..ごめん、折角私を褒めてくれているのに...。」


彼女が声をかけてきたので少し戸惑ったが、フーラが謝る必要はないので

慌てて言葉を返す。


「い、いや、フーラが謝る必要はないよ!謝るのは僕の方だ、ごめん!」

「ふふっ。」

「え!?何故笑うの?」

「貴方みたいな...面白い人初めて。」

「ど、どういう意味?」

「....じゃあね....また話そう。」


困惑気味な僕をおいて彼女は行ってしまう。

しかし、彼女の席は僕の隣のはず、話す機会などいくらでもあるのに。

面白いのはフーラじゃないかなと思いつつ教室へ向かう。

 







 







次回は来週の火曜日を予定しています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ