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静かが好きな結界使い  作者: 蒼色
二章 空白の5年間中編 契約の旅
33/75

武闘大会準備

今回も少なめです。

「やっと着いた。」


いくら僕が早く走れるからと言っても、あのオアシスから

途方もない距離は中々きつい。


その間メディたちはオアシスでくつろいでいたから少しずるいと感じていたりもする。

そういえば、どうして武闘大会の話を持ち掛けてきたのだろう?










「ケリー。遂に実践ね。」


「あたしたちが手を組んだら最強だよ~。」


レイがグレゴリアド王国に向かっている間、メディとケリーは何やら企んでいるようだ。


「とりあえず、練習した時の通りにやるわよ。」


「大丈夫だよ~。」


「レイを驚かそう作戦だね。」


「あたしは驚かないと思うよ~。」


「驚くって、これを見たら。だって、たとえ最上級の属性精霊でさえできないことなんだから。」


「そうだね~お互いのイシソツウが大事だからね~。」


「それにケリーがいるからだね。」


どうやら、二人で何か考えているようだ。










その頃。


「え~と、受付はここかな?」


大国というだけあってかなり広く、6区画に分けられていた。

地図もそれにあわせて6枚あり、ややこしいのも含めてここまで来るのに時間がかなりかかった...。


僕はいま6区画の内のコロシアム区画に来ていて、ここはコロシアムを中心に栄えていて、

地図にはコロシアム周りは何か大会がある時は屋台がたくさん来るらしい。


地図を見ながらコロシアム横の受付所に来た僕はとりあえず並んでいる人がいる列に並んだ。

でも、何の列かわからないの困るので前の人に聞いてみた。


「すみません。これは何の列ですか?」


前の人は振り返った。


「知らないのかい?勿論今回の勇者祭の受付さ、君も参加しに来たのかい?」


「はい。知り合いに参加しないかと言われて。」


「そうか、でもこの大会で優勝なんて夢のまた夢だけどね。」


そう言って、色々と説明してくれた。


まず、この大会の趣旨は国側にとっては勇者の力を見せつけるものであり、

勇者の力は強大。負けるはずがない。

冒険者ランクで言うと、裏ランクと呼ばれる★1以上はありそれが4人。

一応参加者は8グループに分けられ、グループから一人をバトルロワイアルで決める。

それぞれのグループから決められた8人は順番に4人と戦う。

一応8対4なので圧倒的有利。でも正直勝てる可能性は極僅からしい。


それらの理由も含めて、国側は多くの参加者を募るために報酬は国宝と呼ばれるものになっている。


過去にも行われているが、どれも勇者側が勝っている。

しかも今回の勇者はかなり強い部類らしく、一応賭けも行われているが、

最後の8対4の勇者戦は、勇者が1.1倍なのだが、穴狙いで賭ける人は両手で数えれる程。

観客は小遣い稼ぎも兼ねてくるので例年観客は満員とか。


「なるほど。親切にありがとうございました。」


「別に構わないよ、私も暇だったからいい暇つぶしになったよ。」


僕らが話している間にも列は進み続け、あと数人ぐらいにまでなっていた。


「そういえば君の名前は?」


「僕はレイです。」


「レイか、私はトルテだ。もし一緒に戦うことになったらよろしく頼むよ。」


「はい!こちらこそよろしくお願いします。」


その後、僕らは登録した後受付所から出てきて、トルテさんは何やら明日に向けての

調整などをするらしいのでそこで別れた。


「ああ~暇だな。メディに夜まで呼ぶなって言われてるし。」


メディがいきなりゆっくり休みたいから夜まで呼ぶなと言われたのでやることが無くなった。


とりあえず宿だけ取ろうと思ったけど、開いている所なんてあるのかな?


「え~と....。王宮区画の端あたりの宿なら空いているかな?」


僕が見つけたのは6区画の内の一つ、王宮区画の隅っこにある宿。

名前は流浪の川。全く訳のわからない名前だが、開いてない宿を巡るのは面倒なので、

これにすることにした。









「....ん。あれは...。」


僕は流浪の川の近くまで来たのだけど、どこかで見た面影があるような人がいた。


「あ、モルトさんとクレアさんだ!」


僕は駆け出し、二人の元へ行く。しかし、二人はもめてるみたいだった。


「こんなとこ嫌!違うところにしましょう。」


「もうこれ以上宿探すのは僕にはつらいよ。別に少しぼろいだけだよ。」


「だって、見るからにボロボロじゃない!」


二人のもめているような声。と言うより、クレアさんが文句のようなことを言っている声だ。

それが聞こえるところまできた。


「きっと見た目だけだって。」


「だからって、雨漏りがしそうな宿なんて嫌!」


クレアさんが言っていることは間違いではなく、屋根は何度も修復作業の跡があるのが見える。


「そ、そうだけど...。」


クレアさんの言っていることはほぼ正論なのでモルトさんも反論できないようだが、

心なしか疲れているように見えるのは、きっと宿を探してずっと歩いていたのだろう。

僕はあえて割り込むことにした。


「お久しぶりです!モルトさん、クレアさん。」


「あ、レイ君。あの時以来だね。元気にしてる?」


モルトさんが素早く反応した。一度話を斬り上げたかったのかな?


「レイ君久しぶり~。」


続けてクレアさんも。


「二人ともどうかしたんですか?声が聞こえてきましたけど。」


「ちょっとね、宿を探しててね。中々空いているのが見つからなくてここまで来たんだ。」


「それで兄さんがこんなボロボロの宿にしようって言ったから嫌だって言ってたの。」


やっぱり空いている宿が見つからなかったみたいだ。


「なら僕が見てきましょうか?僕はここにするつもりなので。」


「ありがとう。是非頼むよ。」


「え、兄さんここにする気?」


またもめそうなのでさっさと入ることにした。


ガチャリ


思ってたより中は綺麗で、多少脆そうだったりするが、丁寧に修復された跡が見えるし

手入れも丁寧だ。


「お、いらっしゃい。」


中年のおっさんが声をかけてきた。体格はとてもごつそうだけど、目は優しげだ。


「宿は空いてますか?」


「ああ、空いてるよ。まだ半分空いてる。」


「じゃあ、とりあえず三日間でお願いします。」


「了解。食事は?」


「いらないです。」


「分かった。後風呂もあるがどうする?」


「お風呂があるんですか!?」


お風呂がある宿なんてかなり珍しい。

ビュルンデルにいた時は一応あったけど、なんかぬるかった。広かったけど。


「一応な。男女それぞれ4部屋あって、一つ一つはあまり大きくないがな。」


「じゃあ、それも。」


「あいよ。お風呂込みだと6500ローアだ。俺は鍵を取ってくるからお金を出しといてくれ。」


「分かりました。」


そう言うと男はカウンターの横の部屋に入っていった。

その間に僕は一万ローア銀貨を一枚取り出す。


しばらくすると戻ってきて鍵を渡された。鍵には木の板がついていて206と書かれている。


「206号室は右の廊下の奥の階段を上って一番奥の部屋だ。」


「分かりました。」


僕は一万ローア銀貨を渡して、お釣りの三千五百ローアを受け取る。


「さきに部屋だけ見るか。」


モルトさん達にも伝えないといけないので、速足で部屋へと向かいドアを開ける。


ガチャリ


「あ、思ったよりきれいだ。」


部屋の家具はベッドとテーブルに丸椅子が二つ。それに魔石式ランプ。


ベッドも硬いわけでもなく、意外とふわふわではないが十分な弾力だ。

全然文句もなく、これならクレアさんも大丈夫だろう。


部屋の内装を確認した僕はモルトさんたちに報告しに行った。


そういえば、クレアさんはかなり嫌がっていたみたいだが、お風呂があると言うと

すぐに了承した。














12月予定を上げました。詳しくは活動報告をご覧ください。

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